<イタリア地区プレッシア トーチカ1 中央管制室>
エリック
「修羅共がこの辺りにも現れたそうじゃの」
ミタール
「ああ。アビアノも奴らには対処しきれていないらしい」
エリック
「ん、まあ……あやつらは適当に出て来て、適当に暴れおるからの」
エルデ
「このトーチカに現れるかも知れませんね」
ミタール
「状況が状況だ。アビアノからの部隊派遣は期待できん」
エルデ
「となると、戦力はクライウルブズだけ……」
エリック
「数で攻められたら、ちとキツいの」
ミタール
「フロンスを戦闘用UAVとして改修してある。テルグムも無人AFVとして使おう」
エルデ
「そういうことでしたら、私の方からウェンディゴ3を提供致しますわ。
テスト用として、3機組み上げてありますし」
ミタール
「いいのか?」
エルデ
「ええ、開発中のAI1にアジャスト出来なくなりつつありますので」
「ですが、マーダレット・バージョンのAI0を搭載すれば、
フロンスやテルグム以上の戦力になりますわ」
ミタール
「……では、緊急時に使うとしよう。修羅の件で連邦軍が混乱しているとは言え、
あれを出してこちらの腹を探られたくないのでな」
エルデ
「わかりました」
エリック
「ところで、ザパトよ。イェッツトの方はどうかの? 妙な反応が出てるそうじゃが」
ミタール
「耳が早いな。現在、調査を行っているが……筋肉組織に流れる電流の一種だと思われる」
エリック
「ふうむ……。それならいいが、フラットフィッシュの二の舞は御免での」
ミタール
「制御してみせると言っただろう?」
エリック
「シシシの虫……いや、獅子身中の虫にならなければいいがの」
ミタール
「……」