＋OG外伝4話 「踊る揺籃(後編)」＋

ミタール
「……というわけで、前任者の身柄は情報部へ引き渡された」

エルデ
「問題はないのですか？」

ミタール
「情報漏洩への対策、管理責任の追及についてはすでに手を打ってある」
「むしろ、我々は被害者なのだよ。ドナ・ギャラガーによって、
　ウェンディゴを1体失ってしまったのだからな」

エルデ
(……自滅したわね、ドナ。おかげで手間が省けたわ)

ミタール
「それに、ツェントル・プロジェクトは連邦軍にとって不利益な物を
　作り出しているわけではない……」
「来るべき星間戦争で人類が生き残るための術を模索しているのだ。
　プロジェクトを中止される謂われはない」

エルデ
「……」

ミタール
「だが、我々のスポンサーは途中経過の成果物を必要としている。……慈善事業ではないのでね」

エルデ
「それで、私が招へいされたと？」

ミタール
「そうだ。君にはウェンディゴ・プランを受け継いでもらいたい」

エルデ
「……概要書には目を通しました。
　着目点を強いて挙げれば、ウェンディゴ3のボーン・フレーム……」
「マン・マシン・インターフェイス周りに関しては、代替案を提示させていただきますわ」

ミタール
「……自信は？」

エルデ
「なければ、博士のお誘いに乗りません」

ミタール
「良かろう。君の好きなように進めるがいい」

エルデ
「ありがとうございます。つきましては、プラン名を変更させていただきます」

ミタール
「何だ？」

エルデ
「"AI1・プラン"……ですわ」