Skill No.108Address
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親分関係MXNeoDQ8 ドラゴンクエスト8
<アイアンメイデンからの抜け道で>
ヤンガス
「……しかし わからねえ。 自分で ぬれぎぬを着せておいて なんだって 助けに来たんだ?」
ククール
「悪く思わないでくれ。 あいにく ここの連中に オレは 信用がないもんでね。
 あの場で かばったところで あんたたちを助けることは できなかった。 むしろ逆効果さ。
 ……あんたらを尋問してた奴。 あいつ…マルチェロは オレを 目の敵にしてるからな。
 ……それで とにかく一度 牢屋に入ってもらって 後から 助けに来たってわけだ。」
ヤンガス
「とは言っても あんたから見りゃ アッシらが 素性の知れない
 人間であることに 変わりはねえはずだ。
 この魔物みてえな おっさんが 仲間だってのも 本当のことだ。
 それを 逃がしちまってもいいのか?」
(立ち止まるククール)
ククール
「その場にはいなかったが あんたらが 院長の命を 救ってくれたことくらい わかってる。
 あんたらが尋問室に連れてこられる ちょっと前に
 あの まがまがしい気が 修道院の中から 消えたからな。
 こう見えて 感謝してるんだ。 そんな あんたらを 見捨てるほど オレも 薄情な人間じゃない。
 それに そちらのレディを ひどい目に あわせられない。 ……奴の拷問は きついぜ?」
(梯子が掛かった所に到着する)
ククール「この上から 外に出られる。」
<聖堂騎士団詰め所にて>
(寝ていた所を、ククールがドアを開ける音で起きる主人公)
ククール
「目が覚めたみたいだな。
 ……葬式の前にも言ったが オディロ院長の死のことは あんたたちの責任じゃない。
 むしろ あんたらが いなかったら マルチェロ団長まで 死んじまってただろう。 礼を言う。
 ……さて。 その 聖堂騎士団長どのがお呼びだ。 部屋まで来いとさ。
 じゃあな。 オレは 確かに伝えたからな。」
<ドニの町にて酒場の女将と>
女将
「おや ククール。 ツケはいつでもいいから 今日も たーんと飲んできな!」
ククール
「ははっ サンキュ。」
女将
「そういや あんた 修道院にいるっていう お兄さんとは うまく やってるのかい?
 両親のない あんたにゃ ただひとりの身内だ。 仲良くするんだよ。」
ククール
「……ああ。 ありがとな おばちゃん。」
<川沿いの教会の一夜> ククールの回想部分は青文字で記述してます。
(目覚めるトロデ王が教会を出ると木の下にククールが)
トロデ王
「……ククールよ。 お前 何やら事情がありそうじゃな。」
ククール
「………。」
(切り株に腰掛けるトロデ王)
トロデ王
「話せば 気が楽になる事も あるやも知れんぞ? まあ 無理にとは言わんが……。」
ククール
「……なんだろうね。 こう うまくいかねぇんだよな。 あいつ……マルチェロとは。
 いっそ ほんとに 血がつながってなきゃあ お互い 幸福だったのかもな。」
(互いが見上げる先に月が見え、ククールの回想へ……)
死んだ オディロ院長は このへんじゃ 名の知れた 慈善家でさ。
身よりのないガキを引き取って 育ててた。
(歩きながら辺りを見回すククール少年)
まあ オレもその一人で……あのへんの領主だった両親が
いっぺんに死んじまった後……
金もない 親戚もいない そういうガキには あの修道院しか
行く場所がなかったんだ。
(不安そうに修道院の門を見上げて入るククール少年。
 扉が閉まる音に驚きながらも修道院の中を走り回る。
 誰も話し掛けて来ない中、一人黒髪の少年修道士が話し掛けて来る)
マルチェロ
「……君 はじめて見る顔だね。 新しい修道士見習いかい? ひとりで ここまで来たの?」
(頷くククールに頷き返すマルチェロ)
ククール
「あの……父さんと母さん死んじゃったんだ。 だから荷物なくて 他に 行く所もなくて……。」
(しゃがみ込み、ククールの肩に手を添えるマルチェロ)
マルチェロ
「……僕も 似たようなものさ。
 でも ここなら オディロ院長やみんなが 家族になってくれる。 大丈夫だよ。」
ククール
「うん……。 うん…でも……。」
マルチェロ
「……院長の所に案内する。 ごめん。 ほら 泣かないで。 君 名前は?」
(涙を拭い、嬉しそうに手を差し出すククール)
ククール
「……ククール。」
(急に険しい表情になるマルチェロ)
マルチェロ
「そうか 君……お前が ククールなのか。
 ……出ていけ。 出ていけよ。 お前は…お前なんか 今すぐ ここから出ていけ!
 …………。
 ……お前は この場所まで 僕から奪う気なのか?」
(オディロ院長の姿を目に留めると、そのままマルチェロは去って行く)
勉強熱心で 将来有望な 騎士見習いのマルチェロは
オレにだけ 態度が違った。
修道院長
「……すまぬな 幼子よ。 今の話 すべて聞いてしもうたよ。
 まさか マルチェロが あのような 態度をとるとは。 いったい 何が……
 ……そうか。 お前が……。」
(ククールの頭をなでるオディロ院長)
修道院長
「マルチェロには 腹違いの弟がいると聞いていたが……。 そうか お前がククールなのか。
 すべては 時間が……ここでの暮らしが 解決するだろう。
 ……さあ おいで ククールよ。
 ここが 今日からは お前の家になるのだよ。 みなに 紹介しよう。」
(オディロ院長に連れられて行くククール)
……その後 しばらくして オレは 初めて知ったんだ。
死んだ親父には メイドに産ませた
腹違いの兄が ひとり いたのだと。
それが あのマルチェロで……オレさえ生まれなければ
後継ぎは 奴のはずだったのだという事を。
マルチェロと その母親は
オレが生まれた後 無一文で屋敷を追い出され
すぐに 母親は死んでしまい……
……見よりのなくなった あいつは この修道院で オレと親父を
恨みながら育ってきたんだ。 ずっと。
(回想が終わり……)
ククール
「ほんと 寝耳に水の話でさ? 幼く純真な ククール少年の心は こっぴどく傷ついたね。
 でも まあ…ね。 クソ親父は したい放題やってさっさと死んじまった。
 奴には 憎める相手は オレしか残ってないんだ。
 ……わからないでもないんだ。 だから いい機会だったと思うよ。
 近くにいるから 余計 いらだたせる。
 ちょうど マイエラ修道院の きゅうくつな暮らしにも 飽き飽きしてた頃だったし。」
トロデ王
「ククール お前……。」
(鶏が夜明けを告げる)
ククール
「ずいぶん 長話になっちまった。 ほら そろそろ夜明けだぜ?」
(教会に入って行くククール)
トロデ王
「おい!!」
(朝日を見上げ、その後を追うトロデ王)