<インターミッション>
???「…こ、こちらはワルシャワ放送局! み、みなさん! ご覧下さい!
空一面に…ミケーネの大軍団が!!」
「…わ、私は今までにこれほどの数の戦闘獣を見たことがありません!!」
「地上世界はこのまま奴らに征服されてしまうのでしょうか!?
人類に打つ手はないのでしょうか!?」
「あ、ああっ! 戦闘獣がこちらに! み、みなさん、これでお別れです!
さようなら……さようなら!!」
(放送が途切れる)
ゼンガー「……………」
(ミケーネ帝国が…本格的に動き出したのか……)
(…そして、フィフス・ルナの落下…オルファンの浮上………)
(この星は…このまま終わりを迎えるのか…?)
「…………」
「いや、そんなことはさせん。αナンバーズとこの俺……そして、ダイゼンガーある限り…」
「…ソフィア…! この星は必ず我が剣で守ってみせる…!」
ネリー「…その方はご家族? それとも…あなたの恋人ですか?」
ゼンガー「……!」
ネリー「あ……。立ち聞きをする気はなかったんです」
ゼンガー「…………」
「…ソフィアは…ソフィア・ネート博士は俺の上司であり…俺が命を懸けて守るべき存在だった」
ネリー「…その方は今、どちらに?」
ゼンガー「………………」
ネリー「…ごめんなさい…。余計なことを聞いてしまったようですね」
ゼンガー「いや、構わん……」
(…不思議な少女だ…全てを悟りきったような目をしている…)
(そう…己の宿命に殉じることを決意した目…。それに…安らぎすら感じる…)
ネリー「どうしました?」
ゼンガー「…いや、何でもない」
「それより…君のおかげで落下したダイゼンガーを修理することが出来た。礼を言わせてくれ」
ネリー「気にしないで下さい。あなた方と私は出会うべくして出会ったのですから」
「そう、特に彼とは…」
ゼンガー「! 勇が目を覚ましたのか?」
ネリー「ええ、今は私の小屋で休んでいます」
ゼンガー「そうか……」
ネリー「もうすぐ夜…それに吹雪も来ます。話は明日の朝にしましょう……」
<戦闘前イベント>
(勇とネリーの会話シーン略)
ゼンガー「…やはり、君のその目は己の運命を悟ったが故か…」
ネリー「気になさらないで。勇にも言ったように…最期にあなた方と出会えたことを感謝していますから」
ゼンガー「…………」
ネリー「それに……あなたも私と同じく、ご自分の運命を悟っていらっしゃるのでしょう?」
ゼンガー「…………」
勇(…ゼンガー少佐の運命って……前に甲児や鉄也達が言っていた…)
(アンセスターのことか…? でも、誰も少佐にあの話を教えていないはず……)
ネリー「…………」
ゼンガー「俺はまだ未熟……。悲しい宿命を背負った一人の女すら、救うことが出来なかった…」
「いずれ、俺には裁きが下る。その時まで一人の修羅となりて、ただあがき続けるのみ」
ネリー「裁き…ですか…。でも、あなたの未来はあなたが思われている以上に大きく変わることでしょう…」
ゼンガー「…!」
ネリー「何故なら、あなたは勇を始めとする多くの人達に出会ったからです」
「そう…私と私のブレンが勇と勇のブレンと出会ったように……」
ゼンガー「………」
勇「ネリーの言うとおりだ、少佐」
「俺だって、オルファンを抜け出してαナンバーズに来なければ…みんなやネリーとは出会えなかった」
「そのおかげで、俺の運命は変わったんだと思う。だから、少佐もきっとそうなる」
ゼンガー「…………」
勇「行こう、少佐。みんなが待ってる」
ゼンガー「…いいのだな?」
勇「え?」
ゼンガー「彼女のことだ」
勇「…それは……」
ネリー「…………」
勇「ネリー…俺達はここから出て行かなくちゃならない」
ネリー「ええ。あなた達が大きな運命の流れの中にいることは出会った時からわかっていた…」
勇「大きな運命の流れ…?」
ネリー「そう…。地球に落ちた隕石は地球やオルファン…
そして、大いなる存在の意思に影響を与えることになる…」
ゼンガー「大いなる存在? もしや、それは…」
勇「オルファンとは別の…?」
ネリー「詳しいことは私にもわからないわ。でも、何かが目覚める…。この星に眠っていた何かが……」
ゼンガー「……………」
ネリー「! この気配は…!?」
(遠くからブレンに向けて攻撃が加えられる)
勇「何だ!?」
ネリー「勇! ブレンに乗って!」
勇「あ、ああ!」
(勇がユウ・ブレンに搭乗、バロンズゥ出現。以降の会話シーン一部カット)
勇「ゼンガー少佐!?」
ゼンガー「助太刀する! ここは俺に任せろ!!」
勇「気をつけるんだ、少佐! あのアンチボディは普通じゃない!」
ゼンガー「…立ち塞がる敵は何人であっても斬り捨てるのみッ!!」
ジョナサン「バロン・マクシミリアン…お借りしたバロンズゥの力、存分に使わせていただきます」
バロン「油断はするな、ジョナサン。手負いの人間は何をするかわからん」
ジョナサン「心得ております! バロンはそこで私の狩りをお楽しみ下さい!」
<ゼンガー対ジョナサン>
ジョナサン「時代遅れのサムライが! このバロンズゥを倒せると思うなよ!!」
ゼンガー「否! 倒すッ!!」
<敵増援出現後>
ゼンガー「むうっ!」
ジョナサン「ヒャハハハ! 準備は万全だったということさ!」
ゼンガー「あの敵…!」
ジョナサン「どうした!? 威勢がいいのは口だけか!?」
ゼンガー「黙れッ!!」
ジョナサン「!?」
ゼンガー「そして、聞けッ!!」
「我はゼンガー・ゾンボルト! 悪を断つ剣なりッ!!」
<味方増援出現後>
ジョナサン「奴らは!?」
勇「ガオガイガーとゴーショーグン…! 来てくれたのか…!」
真吾「ほ〜う。今度もケン太の予言が的中したな」
キリー「将来は占い師で食っていけるぜ、ケン太」
ケン太「ううん、僕は友達からみんなの居場所を教えてもらってるだけだよ」
レミー「その友達ってのがよくわかんないのよねえ…」
キリー「ま、ケン太のおかげで宝探しは終わったんだ。ありがたく思っておこうぜ」
ゼンガー「他の者も…無事だったのか」
凱「ええ、少佐達で最後です」
ゼンガー「…すまん。心配をかけてしまったようだな」
真吾「ま、あんたがそう簡単にくたばるとは思ってなかったけどね」
ゼンガー「だが、油断するな。あの白いグランチャー…ただ者ではない。奴は勇とネリーを狙っている…!」
凱「了解! 彼らを救助します!」
<戦闘終了後>
(シーン省略:ユウ・ブレンとネリー・ブレンが再リバイバルを果たす)
勇「………ネリー…………!」
ゼンガー(………ネリー……己の宿命を……受け入れたか………)
(勇や俺に……新たな未来を示して…………)
(グッドサンダー出現)
真吾「…迎えが来たか……」
比瑪「あのブレン……」
「勇のブレンなの……!?」
ネリー・ブレン「………」
勇「…………」
「俺のブレンは雄々しかったんだぞ…。そのビットだって取り込んだんだろ、もう泣くんじゃない…」
<アフターミッション・グッドサンダー内>
イルイ「ゼンガー…!」
ゼンガー「イルイ…お前も来ていたのか」
イルイ「よかった…無事で……」
ゼンガー「…すまん、イルイ。俺は…お前との約束を守れなかった」
イルイ「ううん、いいの。みんな一所懸命頑張ったもの……」
「悪いのは…ネオ・ジオンや他の星から来た人達…」
「あの人達さえいなければ……」
ゼンガー「イルイ…?」
勇「そうか…この10日間、地球は…」
命「ええ…。フィフス・ルナの落下は予想以上の影響を与えているわ」
凱「ラサ一帯が壊滅したのに加え…ミケーネ帝国の大軍団が地球の主要都市を同時に襲撃した」
「今は連邦軍と膠着状態となっているが…戦闘が長引けば、こちらが不利だ」
命「それに、オルファンの浮上が地球の異常現象に拍車をかけているし…」
比瑪「下手をすると、地球そのものが危ないってことね…」
勇「ネオ・ジオンや木星帝国の方は?」
真吾「高みの見物さ。奴らのキツい脅しのせいで、連邦のお偉いさん達は浮き足立ってる」
キリー「次は自分達の頭の上に何が落ちてくるかわからないからな」
レミー「つまり…今のところはお手上げってワケ」
ゼンガー「これがシャア・アズナブルの言う重力に魂を引かれた者の罪か…?」
凱「狭い世界の中だけで暮らし、外界に無関心でいることは他人への優しさや思いやりを忘れさせ…」
「長い目で見れば、自分達自身を滅ぼすことなのかも知れませんね…」
ゼンガー「…………」
勇「…ところで、オルファンの方はどれぐらい浮上したんだ?」
命「それが……この一週間でついに海面から離れてしまったの」
勇「やはり、そうか…!」
ゼンガー「ということは、オルファンは完全に浮上した…?」
凱「ええ。フィフス・ルナによる地球へのダメージ…」
「つまり、大規模なオーガニック・エナジーの損失に
オルファンがパニックを起こしたためだと言われています」
勇「想像以上に状況は絶望的だな…」
比瑪「でも、私達…あきらめるつもりはないわ」
凱「ああ、もちろんだ…!」
真吾「でなきゃ、いつものごとく突然姿を現したグッドサンダーで、
世界中へ散った仲間達を集めたりはしないさ」
勇「でも、どうやって俺達がいた場所を知ったんだ?」
真吾「ああ、そりゃケン太のおかげだ」
勇「ケン太が?」
真吾「そう。あいつの友達がαナンバーズの居場所を教えてくれたそうだ」
勇「その友達って?」
真吾「信じられんだろうが…ケン太は山と話せる人、森と話せる人、雨と歌える人達と言ってる」
レミー「一言でいえば、地球の自然そのもの…ファンタジックに
表現すれば、精霊と交信してるってことになるわね」
ゼンガー(精霊……)
キリー「ま、おとぎ話さ」
凱「だけど、護やイルイも同じようなことを言ってる」
「…どうやら、あの子達は俺達に聞こえない声を聞いているらしい…」
レミー「信じられないでしょ?」
勇「いや、そうは思わない。俺や比瑪もブレンの声を聞いているし…」
「子供達は俺達よりもオーガニック的なものに敏感だと言える」
レミー「つまり、純粋だから…ってワケね」
キリー「なら、レミーにゃ友達の声が聞こえなくて当然だよな」
レミー「じゃ、代わりに自分の悲鳴でも聞いてみる?」
キリー「うへっ、そりゃご勘弁」
真吾「とにかく、グッドサンダーが俺達と行動を共にしている内にαナンバーズと合流した方がいいな」
キリー「ああ。このままじゃ、どこに飛ばされるかわからんからな」
勇「ところで、ケン太はどこに?」
真吾「ああ…今、親父さんと会ってるよ」
勇「え…!? 真田博士って、確か亡くなったはずじゃ…」
キリー「何でも、予め自分の意識をファザーに移植していたらしい。要は宙の親父さんと同じってことだ」
勇「…………」
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