<インターミッション>
ミドリ「総員、第一種戦闘配置。繰り返す、総員第一種戦闘配置!」
甲児「ようし、みんな! 行くぜ!!」
一矢「おう!」
レーツェル「敵はネオ・ジオンか…。ハマーンがアクシズに入ってから動きが活発になってきたな」
ゼンガー「うむ……」
レーツェル「どうした? いつになく沈痛な面持ちだが……」
ゼンガー「…いや、何でもない…」
レーツェル「………」
OVA「あ、あの…ゼンガーさん」
ゼンガー「…む?」
OVA「すみません、出撃前の忙しい時に…。イルイちゃんがどうしてもあなたに会いたいと言って…」
ゼンガー「イルイが?」
イルイ「………」
「…ゼンガー……行っちゃダメ。戦いに行っちゃダメ……」
ゼンガー「………」
イルイ「あなたの…命を狙う人が来る…。…女の人が…あなたの命を……」
ゼンガー「……!」
(女……ククルか…!)
レーツェル「何故、彼女はそのようなことがわかるのだ?」
OVA「それが…理由を聞いても、今の答えを繰り返すだけで…」
レーツェル(予知をしているとでも言うのか…?)
イルイ「ゼンガー……」
「お願いだから…行かないで……」
ゼンガー「…………」
「イルイ…俺は往かねばならん。例え、どのような敵が現れようとも…」
「俺は往かねばならんのだ…!」
イルイ「…………」
OVA「さ、イルイちゃん…。少佐の邪魔をしてはいけません。私と一緒に戻りましょう…」
イルイ「…で、でも……!」
ゼンガー「イルイ…心配はいらん。俺は必ず戻ってくる」
「何故ならば、俺は…」
「俺はお前達を守る剣だからだ…!」
「イルイ、ここで俺の帰りを待て」
「そうだな…。温かいコーヒーを頼む。ただし……」
「ブラックでな」
イルイ「…………」
「…う、うん…待ってる……」
「あなたが帰って来るのを…待ってる…」
ゼンガー「よし…いい返事だ」
「では、往くぞ! レーツェル!」
レーツェル「承知した、我が友よ」
<戦闘開始直後>
アムロ「各機、散開して敵を叩け。ただし、ネオ・ジオンの別働隊が動きを見せるかも知れん…」
「4分以内にケリをつけるんだ。いいな!」
キンケドゥ「了解!」
ゼンガー(…ここに…あの女が現れるというのか…?)
<全敵機撃破後>
カミーユ「よし、終わったか……」
(アラーム音)
カミーユ「!?」
小介「こ、こちらへ高速で接近してくる物体をキャッチしました!」
豹馬「ネオ・ジオンの援軍かよ!?」
小介「ち、違います! これは…!!」
(マガルガ出現)
ククル「見つけたぞ…! αナンバーズ!」
美和「! あ、あの人は…!!」
鋼鉄ジーグ「邪魔大王国のククル…!」
OVA「イ、イルイちゃんの言っていたことは本当だった…」
イルイ「……!!」
鋼鉄ジーグ「こんな所まで俺達を追って来たのか…!」
比瑪「で、でも…あの人、一人だけよ!?」
一矢「! もしかして、彼女はゼンガー少佐との決着を…!?」
ククル「聞こえるか、ゼンガー・ゾンボルト。私はククル……黄泉の巫女」
ゼンガー「……!」
ククル「お前との決着をつけにきた…! いざ尋常に勝負いたせ!」
ゼンガー「…………」
ナナ「そ…それって、決闘ってこと!?」
京四郎「ああ…どうやら、そうらしいぜ…!」
ククル「さあ、ゼンガーよ! 返答はいかに!?」
ゼンガー「よかろう…! この勝負、受けて立つ!!」
サンシロー「ほ、本気かよ、少佐!?」
ゼンガー「ククルは一人だけでここまで来た…。相当の覚悟と共にな」
「ならば、俺は戦士として…正々堂々と奴を迎え撃つのみ!」
甲児「あ、あんた一人で戦う気かよ!?」
ゼンガー「無論だ」
サンシロー「けど、何かの罠かも知れないんだぞ!?」
ゼンガー「お前も知ってのとおり…俺の戦いはククルの一撃によって幕を開けた」
「だから、奴との決着は俺自身の手でつけなければならん」
鋼鉄ジーグ「ゼンガー少佐…!」
ゼンガー「わかっている。俺の戦いをここで終わらせるつもりはない。…だから、行ってくれ」
イルイ「ゼンガー……!」
ゼンガー「イルイ……約束は守る」
(マガルガとダイゼンガー以外の機体全てが撤退)
ククル「フフフ…邪魔者はいなくなったな…」
ゼンガー「ああ…。もはや問答無用…!」
「かくなる上は、互いの未来をかけて最後の決着をつけるのみッ!!」
「ぬおおおおおッ!!」
(ダイゼンガーのHP/EN全回復)
ゼンガー「ククル! いざ尋常に勝負ッ!!」
ククル「望むところだ! 行くぞ!!」
<ゼンガー対ククル>
ゼンガー「推して参るッ!!」
ククル「冥府へ逝け! ゼンガー・ゾンボルト!!」
<ククル対ゼンガー>
ゼンガー「打と意地をもって、貴様を倒すッ!!」
ククル「黙れ! 貴様こそ、黄泉路へ導いてやるッ!!」
<マガルガHP0>
ククル「ああ…あああっ……!」
ゼンガー「……………」
ククル「う…く……! やはり、貴様の命には届かなかったか…」
ゼンガー「……………」
ククル「……貴様の勝ちだ……。さあ……トドメを刺せ……」
ゼンガー「………………」
ククル「どうした…? 冥府は我が故郷…鼓の地に還るまで…」
ゼンガー「…我らの勝負は終わった。邪魔大王国の戦士ククルは我が斬艦刀によって散ったのだ」
ククル「……!?」
ゼンガー「…今、ここにいるのは…古の王国の王女、ククル……」
ククル「!!」
ゼンガー「…行くがいい。そして、二度と俺の前に現れるな」
ククル「き、貴様……情けをかけるつもりか……!?」
ゼンガー「否。俺と同じく……ただ一人生き残り、戦い抜いた戦士に敬意を表したまで」
ククル「な、何だと…!? 私は貴様の同胞を…ソフィア・ネートを殺めたのだぞ…!?」
ゼンガー「…………」
「…それはこちらとて同じこと。もはや、俺にお前と戦う理由はない…」
ククル「…………」
ゼンガー「ククルよ…これからは己のために生きるのだ。過去に囚われることなく……」
「己の未来のために生きろ」
ククル「…ゼンガー……貴様は…!」
(クストース・ケレン出現)
ゼンガー「! 奴は!?」
ククル「!!」
(マガルガに一撃を加えるケレン)
ククル「………あ……あ、あ……」
ゼンガー「ク、ククルッ!!」
???「……………」
ゼンガー「貴様ァァァァッ!!」
(ケレン撤退)
ゼンガー「!!!」
ククル「う、うう……かは…ッ…!」
ゼンガー「ククルッ!!」
ククル「…フ、フフフ………こんな…幕切れとはな……」
ゼンガー「ククルッ! 脱出しろッ!! お前はまだ…!!」
ククル「…いや……もう手遅れだ…」
ゼンガー「ククルッ!!」
ククル「……聞け……ゼンガー・ゾンボルト…」
ゼンガー「!?」
ククル「お前の主……ソフィアは……生きている……」
ゼンガー「な……!!」
「何ぃぃっ!!?」
ククル「…あの女は……生きているのだ………」
「……お前なら…ソフィア……ネートを………」
ゼンガー「ククル!!」
ククル「あ、ああ……!」
「……見え…る………私の故郷が………」
「……きれいな…花たち…が…川の……せせらぎが……」
「…ち、父上……母上……ククルは…戻りました………」
「…お二人の……下へ……」
「…い…ま…還っ…て…………」
(マガルガ爆発)
ゼンガー「!!」
「何故だ…!?」
「何故、死なねばならんのだ………!?」
「新たな未来を…手にしたかも知れぬククルが…何故…!?」
「う、うう……うう……!」
「ううう…!!」
「うおおおあああッ!!」
<アフターミッション>
ゼンガー「…………」
レーツェル「無事に戻って来たか。…彼女がさっきからお前を待っていたぞ」
イルイ「ゼンガー……コーヒー…ブラックで……」
ゼンガー「…………」
イルイ「ゼンガー…?」
ゼンガー「すまん……。一人にしておいてくれ………」
イルイ「………………」
レーツェル「…ゼンガー………」
ゼンガー「……………」
レーツェル「…ゼンガー、イルイのコーヒーを持って来た」
ゼンガー「……………」
レーツェル「…そうか。私にも言えぬ話なのだな」
ゼンガー「……………」
「……ククルが死んだ」
「俺は…復讐のためではなく、戦士としての決着をつけるため…ククルと戦った」
「そして、それは…互いの過去に決着をつけるはずだった」
レーツェル「…彼女はそれを受け入れなかったのか?」
ゼンガー「いや…ククルはクストースの手にかかって死んだ」
レーツェル「何…!?」
ゼンガー「何故、奴が俺の前に姿を現したかはわからん…」
レーツェル(もしや…ゼンガーを守るために…?)
ゼンガー「だが…悪を断つ剣の俺が…たった一人の女すら救えんとは……」
「これが…あの時、剣としての役目を果たせなかった俺にかせられた
十字架だと言うのか…?」
レーツェル「…人生には回避できぬ悲劇が訪れることもある…」
「過去として割り切るしかない。…少なくとも、私はそうした」
ゼンガー「…………」
「…いや…まだだ。まだ割り切るわけにはいかん」
「ソフィアが…ソフィア・ネート博士が生きている以上は…」
レーツェル「何…!?」
ゼンガー「ククルが最期に教えてくれた…。彼女はミケーネに囚われている…」
レーツェル「……………」
ゼンガー「…ククルが死に……ソフィアが生き延びる…」
「やはり、俺は守るべき者を犠牲にして剣を振るわねばならぬ宿命なのか…」
レーツェル「……………」
「ネート博士を助けに行くのか?」
ゼンガー「…それは……」
「俺が剣としての役目を終えてからだ……」
「俺にはまだやらねばならぬことがある……」
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