+第31話…武神装攻・降臨+


オレンジ文字の台詞は声付き、オレンジ太文字は声のみ。

<初期出現敵機撃破、全機収容後>

命「各機の収容、完了」

ミドリ「ファイナルカウントダウン、開始。打ち上げ60秒前…」

(アラーム音)

大文字「!?」

命「は、博士! こちらに急速接近してくる物体が!!」

大文字「な、何っ!?」

(マガルガ出現)

宙「!! あいつらは!?」

ククル「この機会を待っていたぞ!!」

ゼンガー「やはり現れたか、ククル!!」

ククル「お前達の命、まとめて黄泉路へ導いてやろうぞ!!」

(大空魔竜に迫るマガルガの前にグルンガスト参式出現)

大文字「!!」

ミドリ「グルンガストが!?」

ククル「邪魔をする気か! 小賢しいっ!!」

(参式に攻撃を加えるマガルガ)

ゼンガー「う…! ぬう…うッ!!」

比瑪「ゼンガーさんっ!!」

ジュドー「ま、まともにくらった…!?」

ククル「フフフ…我が身を盾としたか、ゼンガー・ゾンボルト…」
    「だが、我が舞の見極めを誤ったな!」

ゼンガー「否……! 俺があえて攻撃を受けたのは……」

ククル「何!?」

ゼンガー「貴様の動きを封じるためだッ!!」

ククル「こ、こやつ、マガルガを!? ええい、放せ!!」

大文字「ミドリ君! 打ち上げまでの残り時間は!?」

ミドリ「あ、あと30秒です!!」

ベラ「打ち上げを一時中止! ゼンガー少佐を救出し……」

ゼンガー「手出し無用ッ!!」

ベラ「!?」

ゼンガー「そのまま宇宙へ上がれ!!」

甲児「ば、馬鹿言ってんじゃねえ! あんたを見捨てて行けってのかよ!?」

ゼンガー「俺は死なん! だから、行け! 己の道を見誤るな!!」

甲児「!!」

ベラ「ゼンガー少佐……!」

シモン「シナプス艦長! 間もなくカウントストップリミットを超えます!」

シナプス「構わん、カウントダウンを続行しろ!」

バニング「艦長、待って下さい!」

シナプス「所定位置につきたまえ! バニング大尉!!」

バニング「!!」

シナプス「我々はネオ・ジオンや木星帝国に対処するため、宇宙へ上がらねばならん!」
     「ここで打ち上げを中止すれば、ゼンガー少佐の決意が無駄になるのだぞ!」

バニング「う……!」

シモン「4秒前! 3! 2!」

ゼンガー「行けッ! 宇宙へ!!」
      「我らの次なる戦場へッ!!」

(3艦が宇宙へ飛び立つ)

ククル「おのれっ!!」

(参式に連続で攻撃を当てるマガルガ)

スワン「参式の右腕、大破! 斬艦刀をロストしまシタ!!」

ゼンガー「うぐっ…!」

ククル「頼みの斬艦刀も失ったか…。これで終わりだな、ゼンガー・ゾンボルト」

牛山「駆動系の損傷率、94%! 非常に危険な状態ですっ!!」

麗雄「いかん、このままでは…!」

大河「こうなったら、アレしかない!!」

麗雄「! まさか!?」

大河「そのまさかだ! 獅子王博士、すぐにダブルGを起動させてくれたまえ!!」

ロバート「ええっ!? あれはまだ戦闘が可能な状態では…!」

大河「動けばいい! このままでは少佐が死んでしまうぞ!!」

猿頭寺「しかし、起動させるには最低でも60秒かかります!」

火麻「だったら、俺が時間を稼いでやる!」

???「いや…その役目は私に任せてもらおう」

火麻「何!? 誰だっ!?」

(ヒュッケバインMk-3トロンベ出現)

ヴィレッタ「! 黒いヒュッケバイン…!?」

ククル「何だ、こいつは!?」

???「行くぞ、トロンベ!」

(マガルガに攻撃を加えるMk-3トロンベ)

ロバート「ヒュッケバインMk-3…! 何故、あれがこんな所に…?」

ゼンガー「黒い機体…それに、あの紋章は……!?」

レーツェル「フッ……私の名前はレーツェル・ファインシュメッカー。久しぶりだな、我が友よ」

ゼンガー「レーツェル…!? お前はエルザ……」

レーツェル「それよりも、一刻も早くダブルGの起動を!」

麗雄「よし、やるぞ! OSはタイプCCをセットするんじゃ!」

ロバート「は、はいっ!」

ククル「何者かは知らんが…邪魔立てするなら容赦はせん! 我が舞で冥府へ導いてやろうぞ!」

レーツェル「残念だが…その誘いは断らせていただく!」



<レーツェル登場から1ターン後>

猿頭寺「ダブルGの起動、確認しました。ただし、非常に不安定です。
     武器の使用はおろか、行動不能になる恐れも…」

大河「構わん! 今は少しでも可能性の高い方にかけるしかない!!」
   「ゼンガー少佐! 今からそちらにダブルGを射出する!!」

ゼンガー「ダブルG…!?」

大河「そう! それに乗り移るんだ!!」

ゼンガー「!!」

スワン「ダブルG、射出準備完了!!」

牛山「第9ゲート、開きます!!」

大河「よし! 射出っ!!」

(ゼンガー機が参式からダブルGへ変化)

ククル「な……何だ、あれは!?」

レーツェル「上手くいったか…!?」

猿頭寺「パイロット登録、音声登録…終了。後はDMLシステムと
     火器管制システムが上手く作動すれば……」

麗雄「うむ。運を天に任せるしかないな…!」

ゼンガー「…これが……!」

レーツェル「そう。コードネーム、ダブルG……ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンだ」

ゼンガー「…ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン……」
      「……………」
      「いや、あえてその名は呼ぶまい」

レーツェル「!?」

ゼンガー「そう、名付けるなら…」
      「ダイ・ゼン・ガー……!」

ロバート「ダ、ダイゼンガー!?」

麗雄「う〜む、そういう略し方もあるか…」

ククル「笑止! そんな木偶人形で何をする気だ!?」

ゼンガー「黙れ! 貴様を…!」
      「む!?」

ククル「!?」

レーツェル「どうした!?」

ゼンガー「機体が…! 機体が思うように動かんッ!!」

レーツェル「!!」

大河「な、何っ!?」

麗雄「猿頭寺君、状況は!?」

猿頭寺「DMLシステムの稼働率、20%…内蔵武器、全て使用不可能…!
     かろうじて、上半身が動く程度です…!」

火麻「何とかならないのか!?」

麗雄「うむむ…! 機体を動かすだけなら、OSのプログラム修正で何とかなる…!」
   「じゃが、武器がない…! 丸腰では、いずれ限界が来るぞ!」

ゼンガー「………!」

レーツェル(武器、か……!)

大河「とにかく、急いでプログラムの修正を!!」

麗雄「了解じゃ!」

ククル「フフフ…何がダイゼンガーだ。手も足も出んではないか」

ゼンガー「ぬ……!」

ククル「これで終わりだな。心おきなく黄泉路へ旅立つがよい!」

ゼンガー「笑止! 俺にはまだ戦う術がある!!」

ククル「何…!?」

ゼンガー「俺に剣を! 参式斬艦刀をッ!!」


火麻「!!」

麗雄「そうか、その手があったか!!」

大河「すぐに斬艦刀が落ちた場所の検索を!!」

猿頭寺「いえ、もう見つけてあります。後は誰かがそこへ行けば…」

レーツェル「ならば、その役目も私に任せてもらおう!」

(落ちていた斬艦刀を拾い、ダイゼンガーの方へ投げるMk-3トロンベ。
 そしてそれを受け取るダイゼンガー)


ククル「フン…そんなものを手にしたところで!」

(ダイゼンガー、斬艦刀を掲げながら歩み決め台詞)

ゼンガー「我が魂を受け継げ! ダイゼンガー、いざ!」
      「武神装攻・ダイゼンガー!!」


(”武・神・装・攻”の四文字が現れ、ダイゼンガーのカットインが入る)

ククル「武神装攻だと…!?」

ゼンガー「聞け、ククル!!」
      「我が名はゼンガー! ゼンガー・ゾンボルト! 悪を断つ剣なり!!」
      「お前達は我が斬艦刀によって今日この地で潰えるのだッ!!」


(タイトル・「第31話 武神装攻・降臨」)

大河「博士、プログラムの修正は!?」

麗雄「今終わった! スワン君、ダブルGへ転送を!」

スワン「了解!」

猿頭寺「DMLシステム、稼働率88%! これならば何とかなりそうです!」

麗雄「よし! 後は少佐次第じゃ!!」

大河「頼むぞ、ダブルG…いや、武神装攻ダイゼンガー!!」

ゼンガー「承知…!」

ククル「フン…貴様の口上もそろそろ聞き飽きた。その斬艦刀を墓標にしてやる」

ゼンガー「来い、ククルッ!!」



<ゼンガー対ククル>

ゼンガー「む…! この手応えは、まさか…!」

ククル「フフフ…覚えがあろう?」

ゼンガー「マシンセルか…!」

ククル「そうだ。そのおかげでマガルガは自ら傷を修復する術を得た」

ゼンガー「うぬっ…!」
      「貴様らがアースクレイドルを襲ったのは…マシンセルを手に入れるためだったのか!」

ククル「そのとおり…ヒミカは日本を征服した後、邪魔大王国再建のためにあれを使うつもりだった」
    「だが、そのヒミカもお前達の手によって…!」

ゼンガー「……!」

ククル「私は私の悲願を達成するために、お前達を倒さねばならぬ!」

ゼンガー(悲願…だと!?)

ククル「まずは…貴様の首をもらうぞ! ゼンガー・ゾンボルト!」

ゼンガー「持って行けッ! 出来るものならなッ!!」



<マガルガHP0>

ククル「ば、馬鹿な…! 修復が間に合わぬとは……!」

ゼンガー「………」

ククル「奴のあの力は何なのだ…!? 復讐の念から来るものではない…!?」

ゼンガー「言ったはずだ。もう俺は復讐のためだけに剣をふるいはせん…」
      「同胞達と共に、この世へ混乱や破壊をもたらす悪と戦い続ける…」
      「そう! 我は悪を断つ剣なり!」

ククル「戯れ言を…! この時代に生きる人間こそ悪ではないか!」

ゼンガー「………」

ククル「まつろわぬ民を地上より追放し! 己が欲望のままに自然を破壊し!
    そんな貴様らこそ悪ではないか!!」

ゼンガー「………」
      「いずれ、我らにも裁きが下される日が来るだろう…」
      「いや、すでに下されているのかも知れん」

ククル「何…!?」

ゼンガー「だが…俺はあがき、戦い続ける…」
      「ネート博士が…アースクレイドルの同胞達が願いを託した未来のために…!」

ククル「そうか…!」
    「その念が貴様の力の源か………!」

(マガルガ撤退)

ゼンガー「……………」
      (奴もまた……俺と同じく……?)



<アフターミッション>

ゼンガー(…グルンガスト参式よ…。今まで俺と共によく戦ってくれた。礼を言う……)
      (お前の魂と斬艦刀は俺とダイゼンガーが受け継ごう…)

エリ「…お久しぶりです。ゼンガー・ゾンボルト少佐……」

ゼンガー「…安西博士…!」

エリ「少佐とはイージス計画…いえ、前大戦が始まる前にお会いして以来ですね」

ゼンガー「……ええ。そして……自分は……」
      「あなたのご友人であるソフィア・ネート博士と……多くの同胞達を………」

エリ「………………」

ゼンガー「…申し訳ない…。自分は剣としての使命を果たせず…!」
      「…おめおめと生き恥をさらし、戦い続ける日々…」
      「しかし、人のために悪を立つ剣になると決意した以上は…!」

エリ「…私に謝る必要はありません…。悲しいことですが…あれがソフィア達の運命だったのでしょう…」

ゼンガー「……………」

エリ(…そう…未来の世界でも…。この時代でも………)
   (…かわいそうなソフィア……。あなたは人類の未来のため、辛い選択をしたというのに……)

ゼンガー「……………」

エリ「…生きて下さい、少佐。ソフィア達の代わりに…。多くの人々の未来を守るために…」
   「きっと…ソフィアもそれを願っていると思います」

ゼンガー「……………」



スワン「αナンバーズより連絡が入りまシタ。無事に大気圏を離脱したそうデス」

大河「そうか…それは良かった。では、ゼンガー少佐達用のシャトル打ち上げ作業を開始してくれたまえ」

スワン「了解デス」

大河「…ところで、グルンガスト参式は?」

猿頭寺「先の戦闘で欠損したパーツが多いため、こちらでは修理不可能です。
     なので、テスラ研に送ることにしました」

大河「了解した。ならば、ダイゼンガーの修理作業を優先してくれたまえ」

猿頭寺「それが…問題がありまして…」

大河「問題?」



麗雄「な、何!? ダブルGの修理は不要じゃと!?」

ゼンガー「ええ」

ロバート「しょ、少佐…内蔵武器が一切使えない状態でいいんですか?」

ゼンガー「構わん」

ロバート「そ、そんな…! ダイナミック・ナックルとかゼネラル・ブラスターとか…」

ゼンガー「いらん」

ロバート「俺が付けようと思ってたG・インパクトステークとか…ネオ・チャクラム・シューターとか…」

ゼンガー「不要だ」

ロバート「じゃ、じゃあ…もしかして…」

ゼンガー「そう。参式斬艦刀が一振りあれば充分だ…!」

ヴィレッタ(未来で会った時もただ者ではないとは思ったが…昔からこういう人だったのね)

レーツェル「フッ…そういう所は教導隊時代から変わらんな」

ゼンガー「お前も…見た目以外はな」

麗雄「…ところで、彼は?」

レーツェル「申し遅れました。私の名前はレーツェル・ファインシュメッカー…以後、お見知りおきを」

ヴィレッタ「…………」

レーツェル「君は…元SRXチームのヴィレッタ・バディム大尉だな?」

ヴィレッタ「ええ、そうよ」

レーツェル「君には私の身内が世話になった。遅まきながら、礼を言わせていただく」

ヴィレッタ「身内…?」

レーツェル「ああ、君の部下だ」

ヴィレッタ「なるほど、そういうことね。…なら、その名前は偽名かしら?」

レーツェル「フッ…。お互い、過去の詮索はなしということにして欲しいものだな」

ヴィレッタ「いいわ。それにしても、よくMk-3を見つけてこられたものね」

ロバート「そ、そうだ…! いったい、あれをどこから? 前大戦後、封印されていたはずなのに…」

レーツェル「見つけ出すのに随分と骨を折った。起動実験に失敗した
       タイプRと前大戦で使用されていたタイプL…」
       「私のトロンベは前者を改修したものだ。そして、後者はすでに
       ヴィレッタ大尉用に調整されている」

ヴィレッタ「!」

ロバート「も、もしかして…2機とも持って来ているのか!?」

レーツェル「ああ。マオ社のカーク・ハミル博士から彼女に渡すよう依頼された」

ヴィレッタ「なるほど…解体されたR-GUNの代わりと言うわけね」

レーツェル「そういうことだ」

ヴィレッタ「なら、大切に使わせてもらうわ。…本来の持ち主のためにもね」



大河「では、君はゼンガー少佐と共にαナンバーズへ合流するのだね?」

ヴィレッタ「ええ」

大河「レーツェル君は?」

ロバート「…レーツェル、あなたのことをライに伝えなくていいのか?」

レーツェル「…その必要はない。今の私はレーツェル・ファインシュメッカー…」
       「それに、今の我が弟達には心強い味方がいる」

ロバート「ふふ……そうだな」

エリ「…ヴィレッタ大尉、クストースの調査は私達で進めておくわ」

ヴィレッタ「わかったわ。こちらでも情報を入手次第、連絡する」

エリ「お願いね」

ゼンガー「安西博士…」

エリ「何でしょう、少佐?」

ゼンガー「考古学の権威であるあなたにひとつ頼みたいことがある」

エリ「…もしかして、あのククルという女性のことですか?」

ゼンガー「ああ。彼女が言っていた悲願とは何か…。それが知りたい」

レーツェル「…………」

エリ「…わかりました。でも、邪魔大王国については
   司馬博士の方がお詳しいので…私から依頼をしておきます」

ゼンガー「よろしくお願いする」

麗雄「じゃあ、長官…ワシらは宇宙へ上がる」

大河「うむ。くれぐれも気をつけてな…」



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