+第30話・武神装攻ダイゼンガー+


<インターミッション・???>

???「……ウォーダン……」

ウォーダン「……」

???「ウォーダン・ユミル……」

ウォーダン「我はメイガスの剣なり……」
       「メイガスの敵は……全て我が粉砕する……」



<インターミッション・シロガネ格納庫>

レモン「W15……あなたの今回の任務は、ハガネと
    ヒリュウ改の戦力を削ぐことよ」
    「ただし、ベーオウルフとヘリオスには手を出さないように」

ウォーダン「ゼンガー……ゼンガー・ゾンボルトは?」

レモン「……あなたはどうしたいの?」

ウォーダン「……」
       「願わくば、奴とは一対一の対決を」

レモン「ふふ、そういう所は彼にそっくりね。なら、あなたの好きにしなさい」

ウォーダン「……」

レモン「でもね、一つだけ覚えておいて」
    「あなたのオリジナルであるゼンガー・ゾンボルトを倒すこと……」
    「それはW15がウォーダン・ユミルになる……
    真のメイガスの剣になる唯一の方法よ」

ウォーダン「……」



<戦闘開始直後>

バイオロイド兵「敵機、接近中。数、2。全機、迎撃態勢へ移行」

ジョナサン「彼らにとって敵ということは……!」

リシュウ「ワシにとって味方じゃの」

フィリオ「しかし、2機だけとは……。もしかして……?」

(グルンガスト参式とヒュッケバインMk-Vトロンベ出現)

ゼンガー「見えたぞ、テスラ研が……!」

フィリオ「ゼンガー少佐……! それに、エル……!」

レーツェル「友よ、ビアン総帥からの預り物を受け取りに来た」
       「そして……お前達を救いに」

フィリオ「ふふ……相変わらず律儀な男だね、君は」

バイオロイド兵「……お前達の身柄を拘束する。抵抗した場合は射殺する」

ジョナサン「おや、我々を殺してもいいのか?」
      「ここのデータをまとめられる者がいなくなるぞ」

(銃声)

バイオロイド兵「抵抗した場合は射殺する」

ジョナサン「わかった、わかった。降参だ、大人しく従うよ」

リシュウ(ジョナサン……)

ジョナサン(わかっています。何としてでもダブルGを彼らに。
       ……フィリオもいいな?)

フィリオ(ええ……)

ゼンガー「……レーツェル、雑魚は俺が引き受ける!
      お前は一刻も早く師匠達の所へ!」

レーツェル「了解した!」



<初期クリア条件達成>

レーツェル「よし、たどり着いた。生命反応チェック……」
       「所長達は……連れ去られた後か」

ゼンガー「急げ、レーツェル!!」

レーツェル「了解した。今から中に……」

(ブザー音)

レーツェル「!」

(敵増援出現)

ヴィガジ「黒いヒュッケバイン……やはり、ここへ戻って来たか」

レーツェル「あの時の男か……!」

ヴィガジ「この研究所と人員には利用価値がある……。貴様らには渡さんぞ」

レーツェル「それはどうかな?」

ゼンガー「行け、レーツェル! 奴は俺が食い止める!」

レーツェル「いくらお前でも、一人だけでは……!」

ゼンガー「行くのだ! 行って、師匠達を……そして、ビアン総帥の遺産を!」

レーツェル「……わかった。後は頼むぞ、友よ」

(ヒュッケバインMk-Vトロンベ撤退)

ヴィガジ「ビアンの遺産だと……!? あの狸め、そのような物を!!」

ゼンガー「……」

ヴィガジ「フン、たった一人でこのガルガウを止める気か?」
     「その闘志は見上げたものだが、状況が見えていないようだな。
      やはり、所詮は下等な野蛮人……」

ゼンガー「黙れッ!!」

ヴィガジ「!」

ゼンガー「そして、聞けッ! 我が名はゼンガー! ゼンガー・ゾンボルト!!」
      「我は悪を断つ剣なり!!」

(ゼンガーに鉄壁・熱血・気迫が掛かる)

ヴィガジ「何が悪だ! それは貴様らの方だ! この銀河においてはな!」

ゼンガー「我らの星へ一方的に攻め込んでおいて何を言うか!」

ヴィガジ「予防策なのだよ、これは!
      貴様らのような病原菌を銀河に蔓延させぬためのな!」

ゼンガー「病原菌だと……!?」

ヴィガジ「そうだ! いずれ、貴様らは銀河の秩序を乱す存在となる!」
     「故に我らに監視……いや、支配されて然るべき野蛮人なのだ!」

ゼンガー「そのために武力を行使したというのなら……」
      「貴様らも我らと同じ野蛮人ではないか!」

ヴィガジ「ええい、黙れ! 下等生物にそんなことを言われる覚えはない!」
     「貴様はここで死ね!!」



<↑から数ターン経過>

ヴィガジ「ふん、どうした? お前の力はその程度か?」

ゼンガー「うぬっ……!」

ヴィガジ「フン! 口ほどにもない奴め!!」

(攻撃を受ける参式)

ゼンガー「ぐううっ!!」
      (まだだ……! まだ倒れるわけにはいかん……!)
      (奴が……! レーツェルが戻ってくるまでは!)



<テスラ・ライヒ研究所>

ジョナサン「! こ、この振動は……」

バイオロイド兵「動くな。動くと撃つ」

ジョナサン「わかっているよ。ご覧の通り、抵抗する気はないさ」

フィリオ「……」

(何らかのキーを入力するフィリオ)

ジョナサン(……どうだ、フィリオ?)

フィリオ(遠隔操作モードで火は入れました。ですが、1号機の
     火気管制システムには問題が……)
     (2号機はチャージに時間がかかってしまいます)

ジョナサン(仕方がない。
       奴らの目を盗んで調整するのは至難の業だったからな……)

バイオロイド兵「お前達、何を話している?」

フィリオ「……!」

リシュウ「あ〜、すまんのぅ。ワシは独り言のクセがあるんじゃ」

バイオロイド兵「……」

リシュウ「それより、お前さんにちょいと頼みがあるんじゃが……
      ワシの杖を取ってきてくれんか?」

バイオロイド兵「……」

リシュウ「ほれ、ワシは見ての通りの歳でのう……
      杖がないと具合が悪いんじゃ」

バイオロイド兵「……」

リシュウ「な、頼む。ゴホッ、ゴホ……この通りじゃ」

ジョナサン(せ、先生……演技がわざとらしいですよ)

リシュウ(馬鹿を言え、お前もやっておったことじゃろうが)

バイオロイド兵「……動くと撃つ」

(レーツェルが入って来る)

レーツェル「それはこちらの台詞だ」

バイオロイド兵「!?」

(銃声)

レーツェル「……やはり、人ならざるもの……躊躇はせんか」

ジョナサン「レーツェル……!」

レーツェル「遅れて申し訳ない」

ジョナサン「いや、君が来てくれて助かったよ」

レーツェル「……リシュウ先生、杖はこれでよろしいですか?」

リシュウ「お、おお……すまんの」

フィリオ「エル、よく来てくれたね」

レーツェル「……友よ、すぐにダブルGを起動させてくれ。
       このままではゼンガーが危ない」

フィリオ「ああ、わかっているよ」

ジョナサン「行こう。ダブルGは最深地下格納庫だ」

(テスラ研地下へと赴く3人)

レーツェル「……こんな所に地下へのエレベーターが?」

ジョナサン「何せ秘密の格納庫だからね。入り口も秘密にしておかないと」

バイオロイド兵「……」

レーツェル「警備は……5人か」

リシュウ「ふむ。 ……レーツェル、援護を頼むぞ」

レーツェル「は?」

ジョナサン「せ、先生!?」

リシュウ「キエエェェェェェイ!!」

バイオロイド兵「!!」

リシュウ「イヤリャァァァァッ!!」

(バイオロイド兵を斬るリシュウ)

バイオロイド兵「……!!」

(銃を発射するバイオロイド兵)

リシュウ「ぬううん!!」

(弾を斬り弾くリシュウ)

ジョナサン「た、弾を!?」

リシュウ「チェェストォォォォオ!!」

(更にその勢いでバイオロイド兵を倒す)

バイオロイド兵「!!」

リシュウ「ふうう……」

レーツェル「……」
       (援護する必要は……なかったかも知れんな)

フィリオ「す……凄い……。刀で弾丸を跳ね返すなんて……」

リシュウ「ふふ、ワシの見切りとゾル・オリハルコニウム製の
      仕込み杖をなめるでないわ」
     「それに、弾を跳ね返すぐらい、リューネの嬢ちゃんも朝飯前でやりおるわい」

ジョナサン「さ、さすがは示現流の達人……ゼンガー少佐達の師匠ですな」

リシュウ「さあ、急ぐんじゃ! ゼンガーとて、あの怪物が相手では
      そう長く保たんぞ!」

ジョナサン「は、はい! レーツェル、君は下へ降りてダブルGに!」

レーツェル「承知した!」



<戦闘画面に戻って>

ヴィガジ「……さて、そろそろ終わりにするか」

ゼンガー「!」

(ガルガウの攻撃を食らい、右腕を吹き飛ばされる参式)

ゼンガー「うぐっ……!!」

フィリオ「さ、参式の右腕が!!」

ヴィガジ「頼みの太刀を失ったか。……終わりだな、ゼンガー・ゾンボルトとやら」

ゼンガー「……!!」

レーツェル「所長、すぐに2号機の発進を!」

ジョナサン「駄目だ、チャージにまだ時間がかかる!」

リシュウ「なら、1号機じゃ! 先に1号機を出せ!」

フィリオ「しかし、あれはまだ戦闘が可能な状態では……!」

リシュウ「動けばいい! このままではゼンガーが死んでしまうぞ!」

ジョナサン「ですが、先生!
       あれを発進させるには、最低でも60秒はかかってしまいます!」

リシュウ「う、うぬっ……! こんな時に零式があれば……!」

レーツェル「やむを得ん、私がMk-Vで出る!」

ヴィガジ「もう遅い! 死ね、ゼンガー・ゾンボルト!!」

(スレードゲルミル出現)

ヴィガジ「ぬうっ!?」

レーツェル「あ、あれは!?」

ウォーダン「……」

ゼンガー「ウォーダン……! ウォーダン・ユミル!!」

レーツェル「まさか、ゼンガーを狙って……!?」

ウォーダン「一意専心……!」
       「推して参るッ!!」

ヴィガジ「!!」

(ガルガウを斬艦刀で攻撃するスレード)

ヴィガジ「う、うぐっ! まさか、あの男は……!?」

ウォーダン「………」

ゼンガー「ウォーダン……何故、この俺を……!?」

ウォーダン「貴様を倒す者はこの俺以外であってはならない……」
       「そして、貴様との決着はこのような形であってはならぬ」

ゼンガー「……!」

レーツェル「あの男もWシリーズのはず……。何故、あのようなことを?」

ゼンガー「もしや、お前はラミアと同じく……!?」

ウォーダン「俺は俺のオリジナルであると言える貴様の存在を抹消し……」
       「W15ではなく、真のメイガスの剣……ウォーダン・ユミルとなる」
       「それが俺の……俺自身の意思だ」

ゼンガー「意思……! ウォーダン、やはりお前は……?」

ウォーダン「聞け、ゼンガー。
       貴様が新たな剣を手にするまでの時間は、俺が稼いでやる……」
       「我らの勝負はその後だ」

ゼンガー「承知……!」

ヴィガジ「何者かは知らんが、邪魔はさせんぞ!!」

ウォーダン「来い! しばしの間、貴様の相手は俺がする!」



<↑より1ターン後>

フィリオ「1号機の出撃準備、終了。ただし、非常に不安定です」
     「武器の使用はおろか、最悪の場合は行動不能になる恐れも……!」

リシュウ「構わん! 2号機が出れば、サポート可能じゃ!」

ジョナサン「ゼンガー少佐! 今からダブルGの1号機を射出する!
       それに乗り移るんだ!」

ゼンガー「承知!」

フィリオ「遠隔操作モード! 第12ゲート、開きます!」

ジョナサン「よし、射出!!」

(ダイゼンガー出現)

ヴィガジ「む!?」

(ダイゼンガーに乗り移るゼンガー)

ヴィガジ「もしや、あれがビアンの遺産!?」

ウォーダン「そして、ゼンガー・ゾンボルトの新たな剣か」

リシュウ「あの姿……まさに武神じゃな」

フィリオ「パイロット登録……音声登録、終了。後はDMLシステムと火気管制
     システムが上手く作動すれば……」

ヴィガジ「カザハラ! 貴様、あのような物を隠していたのか!?」

ジョナサン「地球の研究所には、秘密兵器がつきものでね。
       気づかなかった君達が悪いのさ」

ヴィガジ「なめた真似を……!」

ゼンガー「これが……ダブルG……!」

ジョナサン「そう……ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン」
       「ビアン総帥が君のために開発し……君に遺した
       スーパーロボットだ」

ゼンガー「……ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン……」
      「……」
      「いや、あえてその名は呼ぶまい」

ジョナサン「何?」

ゼンガー「総帥がこの俺に遺した機体……俺のために作られた剣……。
      そう、名付けるなら……」
      「ダイ・ゼン・ガー……!」

ジョナサン「ダ、ダイゼンガー!?」

フィリオ「なるほど……。そういう略し方もあるね」

ヴィガジ「笑わせるな! そんなロボットで俺を倒せるか!!」

ゼンガー「黙れ! 貴様を……」
      「む!?」

(出力が落ちるダイゼンガー)

ジョナサン「どうしたんだ!?」

ゼンガー「機体が……! 機体が動かん!」

リシュウ「な、何じゃと!?」

ジョナサン「フィリオ、状況は!?」

フィリオ「DMLシステムの稼働率、20%……内臓武器、全て使用不能。
     かろうじて上半身が動く程度です」

ジョナサン「くっ……! 2号機はまだ出せないのか!?」

フィリオ「は、はい……!」

ジョナサン「やむを得ん! すぐに1号機のOSの書き換えを!
       動けるようにするんだ!」

リシュウ「じゃが、武器がない! 丸腰では、いずれ限界が来るぞ!」

ゼンガー「……!!」

ウォーダン(武器、か……!)

ヴィガジ「ク、ククク……とんだ木偶人形だったな」
     「この俺を欺いた報いだ! 貴様から片付けてやる!!」



<↑より2ターン後orダイゼンガーのHP一定以下>

ヴィガジ「フン、何がダイゼンガーだ。手も足も出んではないか」

ゼンガー「ぬうっ……!」

ヴィガジ「貴様らの相手も飽きた……一気にトドメを刺してやる!」

ウォーダン「笑止!」

ヴィガジ「何!?」

ウォーダン「ゼンガー! お前にはまだ戦う術がある!!」

ゼンガー「術だと!?」

(参式斬艦刀が落ちた位置まで行くスレード)

ウォーダン「さあ、受け取れ! 貴様の武器を!」

ゼンガー「!!」

ウォーダン「受け取るのだ、ゼンガー! 貴様の斬艦刀を……」
       「参式斬艦刀をッ!!」

(参式斬艦刀をダイゼンガーに向けて投げ渡すスレード)

ヴィガジ「フン、今さらそんな物を手にした所で!」

ゼンガー「黙れッ! 斬艦刀は我が魂の剣! これさえあれば、俺は戦える!!」

ヴィガジ「!?」

ゼンガー「我が魂を受け継げ、ダイゼンガー!!」
      「否!」

(第30話・武神装攻ダイゼンガーのタイトルが入る)

ヴィガジ「ぶ……武神装攻だと!? 今度は何の略だ!?」

ゼンガー「もはや問答無用! 受けよ、我が魂の太刀をッ!!」

(斬艦刀・雲燿の太刀がガルガウを断つ)

ヴィガジ「ぐ、ううっ……!!」

ゼンガー「……礼を言うぞ、ウォーダン・ユミル」

ウォーダン「ゼンガー……雲燿の太刀、しかと見届けた。
       それでこそ……我が宿敵だ」

ゼンガー「………」

ジョナサン「フィリオ、OSの書き換えは……!?」

フィリオ「ギリギリで間に合いました。現在のDMLシステムの稼働率は88%……」
     「ゼンガー少佐なら大丈夫でしょう」

ジョナサン(あのタイミングで書き換えを間に合わせたのか……! さすがだな)

ヴィガジ「おのれ、貴様ら……! 貴様ら! もう許さんぞッ!!」

(ヴィガジに熱血が掛かる)

ヴィガジ「ぬおおおおおっ!!」

(辺りを破壊し出すガルガウ)

ゼンガー「!!」

リシュウ「や、奴の太刀を受けてまだ戦えるのか!?」

フィリオ「な、何て頑強さなんだ……!」

ジョナサン「このままではこちらが保たん!」
       「ピンポイントで動力源を狙いでもしない限りは!」

レーツェル「……その役目は我らに任せてもらおう」

ジョナサン「!」

(アウセンザイター出現)

ヴィガジ「!!」
     「あれもダイゼンガーとやらか!?」

レーツェル「そう、ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンの2号機……」
       「名付けて、アウセンザイター……!」

ヴィガジ「『穴馬』だと? また翻訳機が壊れたのか!?」

フィリオ「……なるほど。言い得て妙だね」

レーツェル「ゼンガー! モードを『プフェールト』に切り換えろ!」

ゼンガー「!?」

レーツェル「行くぞ、友よ!!」

(ダイゼンガーとの合体攻撃・竜巻斬艦刀がガルガウを断つ)

ヴィガジ「ぐうっ……貴様ら……!!」

ゼンガー「……刃馬一体……!
      レーツェル、お前の機体にはそのような機構が……」

レーツェル「フッ、この姿……。
       ビアン総帥は私の望みを理解しておられたらしい……」
       「これぞ、まさにトロンベ。共に戦場を駆ける……私の愛馬だ」

ヴィガジ「ダメージチェック……! ち……動力源がやられたか!」

(ブザー音)

ヴィガジ「!!」

(ハガネとヒリュウ改出現)

ジョナサン「おお! 彼らも来てくれたのか!」

ダイテツ「各機、出撃せよ!!」

(PT部隊出撃)

クスハ「カザハラ所長! 皆さん、ご無事ですか!?」

ジョナサン「ああ、頼もしい助っ人達のおかげでね」

イルム「ま、そう簡単にあんたがくたばるとは思ってなかったけどな」

ジョナサン「相変わらず口の減らん奴だ」

イルム「あんたに似たのさ」

ツグミ「フィリオ! 聞こえる!? フィリオ!
    生きているなら返事をして!!」

フィリオ「ツグミ……心配かけたみたいだね」

ツグミ「馬鹿! 馬鹿! 宇宙馬鹿! 当たり前じゃない!」
    「あなたがいなくなったら私……私……」

アイビス「ツグミ………」

フィリオ「すまない……ツグミ。だけど、まだ戦いは終わってはいないよ」

アイビス「フィリオ……それはあたしに任せておいて!」

フィリオ「では見せてもらうよ、アイビス。君の成長ぶりを」

ヴィガジ「……この状態で奴らの相手をするのは危険か……!」

エクセレン「あらん、こっちは別に構わないけど?」

ヴィガジ「地球人共めが……! この屈辱、忘れはせんぞ!!」

(ガルガウ撤退)

エクセレン「あらら〜……あの調子じゃ、ボス達から散々な
       目に遭わされちゃったみたいねぇ」

キョウスケ「それよりも……奴だ。何故、ウォーダンがここに?」

ウォーダン「………」

ラミア「W15……ここへはレモン様の指令で?」

ウォーダン「そう……そして、俺の意思でもある」

ラミア「意思……だと?」

ウォーダン「……」

ラミア「W15……お前は……」

ウォーダン「俺の名はウォーダン・ユミル。……W15ではない」

ラミア「……了解」

ウォーダン「ゼンガー……ゼンガー・ゾンボルト。お前との決着は……いずれ」

(スレードゲルミル撤退)

ゼンガー(ウォーダン……)

ラミア(ウォーダン・ユミル……あの男も私と同じで……?)

ブリット「少佐、ウォーダンを追わなくていいんですか!?」

ゼンガー「ああ。それが奴に対するせめてもの恩義……」
     「そして、今はテスラ研を奪還することが先決だ」

ブリット「は、はい!」

テツヤ「艦長、残存機がこちらへ向かって来ます!」

ダイテツ「各機、攻撃開始! 敵機を殲滅し、テスラ研を奪還せよ!!」



<アフターミッション・テスラ・ライヒ研究所>

ツグミ「フィリオ!」

フィリオ「心配かけたね、ツグミ……」

ツグミ「……あなたに会って色々言いたいことがあったけど……」
    「あなたが無事だった……。今はそれだけでいいわ……」

フィリオ「……ごめんよ……」

アイビス「……フィリオ少佐……」

フィリオ「アイビス、見せてもらったよ……。成長した君とアステリオンの姿も」

アイビス「でも、スレイは……」

フィリオ「心配は要らない……。スレイは子供の頃から、すぐに
      ムクれるクセがあったからね……」
     「でも、もう彼女も子供じゃないんだ……」
     「自分の進む道を思い出したら、きっと僕達の所に戻ってくるさ」

アイビス「うん……!」

ツグミ「フィリオ、アイビス…スレイが戻るのを待ちましょう……。
    私達の夢のために……」

フィリオ「ああ……。きっと、それは遠い日じゃないと思うよ……」
     (そして、僕が力尽きるその日も……)

ジョナサン「……感動のご対面だな。
       さあ、イルム……パパの胸に飛び込んでおいで」

イルム「冗談じゃない。男に抱きつく趣味はないぜ」

ジョナサン「同感だ。それにしても、よく来てくれた」

イルム「そっちも……インスペクター相手によく保たせたもんだ」

フィリオ「カザハラ所長とリシュウ先生の演技のおかげだよ」

ゼンガー「……ところで、少佐。俺のグルンガスト参式は?」

フィリオ「……ご覧の通り、損傷がひどく……当面の間は使用不可能です」

ゼンガー「そうか……」
      (グルンガスト参式よ……。今まで俺と共によく戦ってくれた。礼を言う)
      (お前の魂と斬艦刀は俺とダイゼンガーが受け継ごう……)

ジョナサン「ゼンガー少佐、君のダブルGの内蔵武器についてだが……」

ゼンガー「修理にはどれぐらいの時間が?」

ジョナサン「軽く見積もっても、1ヶ月はかかる。一度バラして、パーツを
       交換しなければならないんでね」

ゼンガー「ならば、結構。参式斬艦刀が一振りあれば、充分だ」

ジョナサン「しかし、それでは……」

ゼンガー「この後、我らはすぐにラングレーへ赴き、
      インスペクターと戦わねばならん」
      「そして、ウォーダン・ユミル……奴との決着をつけるためにも」
      「あの時、ソフィア・ネート博士と交わした約束を守るためにも……」

フィリオ「ソフィア・ネート博士……確か、今は……」

ゼンガー「そう、アースクレイドルにいるはずだ」

フィリオ「……」

ゼンガー「今のノイエDCに……彼女の意思は介在していないはず」

フィリオ「ええ、あの人は人類同士の戦いをよしとしていませんでした……」

ゼンガー「……ネート博士の身に何かあったことは間違いない」
      「そして、俺はそれを確かめに行かねばならん」
      「そのためにも……今、ダイゼンガーが必要なのだ」

ジョナサン「……そうか。では、剣撃戦闘用としてOSを
       最適化しておく。それならすぐだ」

ゼンガー「……お願いする」



<シロガネ艦橋>

アクセル「……ベーオウルフとヘリオスに手を出さなかった点はいい」
      「だが、何故ゼンガーを助けるような真似をした」

ウォーダン「……奴と互角の勝負をするためだ」

アクセル「互角だと? 笑わせるな」
      「貴様ら人形は余計なことを考えず、与えられた
      任務を遂行していればいい」

ウォーダン「……」

アクセル「それが出来んのなら、不良品としておれが処分する。
      ……覚えておけ」

ウォーダン「……承知」

(ウォーダンが出て行く)

アクセル「……W17に続き、奴もあのザマか」

レモン「……」

アクセル「やはり、ナンバーズは信用ならん。W16も含め、
      今の内に廃棄すべきだ」

レモン「……彼らはシャドウミラーにとって貴重な戦力よ。
     それは出来ない相談ね」

アクセル「操り糸が切れた操り人形に何の意味がある?」
      「それに、奴らの自我の確立は、お前のプランに
      反しているのではないか?」

レモン「そうよ。でもね……見たくなったの。あの子達がどうなっていくかを」

アクセル「奴らの……いや、お前自身のためにか?」

レモン「……」
    「……そうかも、ね」




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