+第41話・ただ、撃ち貫くのみ+


<戦闘開始直後>

ブリット「また大きな空間に出た…!」

クスハ「こ、ここが中枢部…?」

レオナ「私達が進んできた距離から計算すれば、中枢部はこの向こう…」

カチーナ「ゴール寸前ってことか。その割には、出迎えがいねえな」

ギリアム「おそらく、ここは機動兵器のプラントか何かだ…」

ヴィレッタ「ええ、出てくるわ。最強クラスの機体が…」

(ジュデッカ他出現)

ブリット「つッ!!」

リュウセイ「!」

クスハ「!」

タスク「く!?」

リョウト「な…!」

リオ「!」

レオナ「今のは…何!?」

アヤ「こ、この念は…!」

レビ「我が名はレビ。レビ・トーラー…」

ラーダ「あれが…レビ……」

ギリアム「…エアロゲイターの統率者か…」

ラーダ(私とギリアム少佐の予測が正しければ…あの子も他のエアロゲイターと同じく…)

ギリアム(精神制御を受けた地球人だと言うことになる。そして、その正体は…)

ヴィレッタ(…………)

キョウスケ「大物中の大物がかかったようだな」

レビ「選ばれしサンプル達よ…。これ以上の抵抗は無駄だ。大人しく我らの軍門に降れ」

エクセレン「わお、お優しいことで。あなた達の兵器になって戦え…って?」

レビ「そうだ。そのため、我々はネビーイームより先に地球へメテオ3を送り込み…」
   「地球人類へEOTを与えて平気としての進化を促し、その過程を見守ってきた」
   「そして、我々が与えて来た幾多の試練を乗り越え…」
   「最終的にサンプルとして選び出された者が、お前達なのだ」

キョウスケ「解せんな。…技術レベルはお前達の方がはるかに優れているはず…」
       「にも関わらず、おれ達を戦力として必要とする理由は何だ?」

レビ「数年に渡る調査の結果、地球人は他星の人種に比べて強い闘争心と高い戦闘能力を…」
   「そして、他星の技術を短時間で吸収する、柔軟かつ優秀な知能を持つ人種であるとわかった」
   「さらに、魔装機神と呼ばれる兵器のように…」
   「地球には独自の技術力で超高性能な兵器を造り出す文明も存在している」
   「つまり、地球人は…この銀河系の中でも、類い稀なる力を持った優性戦闘種族なのだ」

ギリアム「…優性戦闘種族…。なるほどな。言い得て妙かも知れん」

レビ「地球人が何ゆえにそのような進化を遂げたか…理由は我々にもわからない」
   「あるいは、地球という星そのものに何らかの秘密があるのかもしれない」
   「だからこそ…ネビーイームは地球に引き寄せられたのだ」

エクセレン「ちょっと、それって…」

キョウスケ「…読めた。お前達の目的は…地球人という兵器を大量に『生産』することか」

マサキ「大量生産だと…!? どういう意味だ、キョウスケ?」

キョウスケ「レビの言うとおり、おれ達はあくまでもサンプルに過ぎない…」
       「だからこそ、奴らはおれ達の様々なデータを基に…」
       「大量の地球人を捕らえ、兵器として調整する」
       「それがレビ・トーラー、お前の目的であり、ホワイトスターはそのプラント…生産工場だ」

ゼンガー「初期段階に、その実験台とされたのがカーウァイ大佐…」

リュウセイ「最近ではテンザン…」

エクセレン「手っ取り早く精神コントロールで…ってのが、私やクスハちゃんね」

レビ「そのとおりだ」

リオ「じゃあ、さっきの居住空間に人の気配がまったくしなかったのは…?」

ギリアム「そうだ…。ホワイトスターはエアロゲイターの自動機械要塞であると同時に…」
      「収集・調整した地球人を飼うためのオリでもあるのさ」

エルザム「レビ・トーラー…お前は我々を収集した後、どこへ運び去るつもりだ?」

レビ「それに答える必要はない。お前達はただ…バルマーの兵器となれば良いのだ」

ゼンガー「笑止! 貴様らのオリごと叩き斬るまで!!」

レビ「フフフ…お前達の力でこのネビーイームの中枢を司るジュデッカは倒せん」
   「その名のとおり…お前達に最終地獄を見せてやる」

キョウスケ「…フッ…フフ…」

エクセレン「…!?」

ブリット「キョ、キョウスケ中尉が…」

タスク「わ、笑ってんぞ…!」

レビ「…何がおかしい…? それとも、絶望のあまり精神変調でも起こしたか…?」

キョウスケ「いや…おれは幸せ者だと思ってな。…ここで命を賭ける事が出来るとは」

エクセレン「…あちゃあ…こんな時までいつもの病気が…」

キョウスケ「アサルト1より各機…いや、この通信を聞く全ての者達へ…!」
       「この一戦に、おれ達の命と、地球の命運を賭けるっ!」
       「外れれば、無一文どころか…全てが終わる」
       「だが、当たれば億万長者だ…! 全賭けでいく!」

リュウセイ「言われるまでもねえ、こっちは最初からそのつもりだぜ!」

ライ「勝手に賭けられても困るが…いいだろう」

マサキ「乗ったぜ、その賭け!」

キョウスケ「なら、絶対に勝て…! 以上だ」

エクセレン「…やっぱ、いいなあ…あいつ…」

ブリット「そういう台詞をいう時は、プライベート通信にしといた方がいいですよ」

エクセレン「!!!! ブ、ブブ、ブリット君!? もしかして…今の聞いちゃって…」

ブリット「いえ、何も聞いてません。さあ、行きましょう、少尉!」

エクセレン「…むぐぐ…エクセレン・ブロウニング、一生の不覚…」

キョウスケ「…集中しろ、エクセレン。…ここでこの戦い…決める…」

レビ「愚かな男だ。さしたる特殊能力もなく…ただ、機動兵器の扱いに優れているというだけ…」
   「勘と運だけで…私に戦いを挑むか」

タスク(その勘と運ってのが、ハンパじゃねえんだよなあ…キョウスケ中尉の場合)

キョウスケ「ゴタクはいい。もうコールは済んだ」
       「…あと出来る事は、伏せたカードを見せるだけだ」

レビ「カードだと?」

キョウスケ「そう。やる事は一つ…お前を…」

(タイトルコール「最終話・ただ、撃ち貫くのみ」)




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