＜インターミッション・ブリーフィングルーム＞
ショーン「では、ラドム博士…よろしくお願いします」
マリオン「わかりましたわ」
マサキ「一体何しようってんだ？」
エクセレン「ボーナスの支給についてとか？ ま、あれだけ活躍すればねえ」
マサキ「そんなわけあるか！」
ライ「捕まったり、勝手に飛び出してボーナスがもらえるなら苦労はせん」
エクセレン「いやん」
リューネ「正論だね」
キョウスケ「いかんな。…ラドム博士？」
マリオン「聞く気がないなら構いませんわよ。私もそんなに暇ではございません」
エクセレン「ま、まあまあ…博士、そんなにヘソを回さないで」
エルザム「少尉、ヘソは曲げるものだ」
ブリット(兄弟そろってツッコミが早いなあ)
ショーン「ま、それはともかく。博士、ご説明の方を」
マリオン「エアロゲイターの目的…それは今のところ、『標本』の採取だと思われましてよ」
カチーナ「標本だって？ あたし達がかよ？」
マリオン「そう。エアロゲイターはメテオ3のEOTを初めとする禁断の果実と…」
「降伏勧告や首都爆撃などという試練を与え…」
「『兵器』として特異な進化を遂げた地球人を標本として採取するつもりですわ」
ブリット「採取って…クスハやエクセレン少尉のように…！？」
マリオン「でなければ、我々を今まで生かしておいた理由が説明出来ませんわ」
リューネ「もしかして、採取の対象はあたし達だけじゃなくって…」
マリオン「ええ。最悪の場合、数千人…いや、数万人規模での…」
ゼンガー「つまり、ハガネやヒリュウ改は氷山の一角だということか」
リューネ「まったく…。あいつら、何様のつもりなの？」
カチーナ「地球人よりはるかに優れた異星人様だろ」
「けど、頭の良さだけで戦いには勝てないぜ」
ブリット「でも、どうしてわざわざ地球人を兵器として進化させる必要が…？」
リューネ「そうよね。あいつらだって結構な数の兵器を持ってんのに」
マリオン「彼らの目的の見当はついても、理由については未だ不明…」
「技術的、軍事力的…全てにおいて地球人より彼らの方が優れているにも関わらず、ですわ」
キョウスケ「どうしてエアロゲイターは『地球に興味を持った』…？」
ギリアム「彼らの求める『何か』が…」
「あるいは、彼らの恐れる『何か』が、この地球にあるのかも知れないな」
キョウスケ「………」
エクセレン「………」
＜戦闘開始直後＞
（ヒリュウ改・出撃）
レフィーナ「…エルピス…！ 良かった、無傷で…」
ブライアン「久しぶりだね、レフィーナ艦長」
レフィーナ「大統領…！ 確か、地球におられたはずでは？」
ブライアン「まあ、色々と仕事が残っていてね」
「すまないが、僕達はコロニーの防衛に回る。彼らの相手は頼むよ」
レフィーナ「了解です！」
ガルイン「………！」
ギリアム（あれが指揮官機か…）
（だが、何だ？ この予感…）
ゼンガー（あの気配…覚えがある）
カイ（やはり…）
エルザム（…乗っているのか？ あの人が…）
（PT部隊出撃）
エクセレン「戦闘指揮官様、どうするの？」
キョウスケ「…連中の真意が読めん。伏兵がいる様子もないしな」
リュウセイ「だけど、何か妙な感じがするぜ」
ブリット「ああ…！」
アヤ（念動感応じゃないけど…何かしら？）
リョウト（こちらへの敵意…？ いや、何かが違う）
レオナ（迷っている…？）
クスハ（悲しんでるの…？）
リオ（…正義か悪か、ハッキリしない……！）
タスク（何にせよ、イヤ〜な予感だけは確かだな）
エクセレン「あらら…みんな黙りこくっちゃって」
キョウスケ「思惑はどうあれ、やることは決まっている」
「各員、各個撃破。…速攻で頼む」
＜味方２ターン目＞
ジャーダ「何だ、あいつら？ 動きがてんでバラバラだぜ」
ガーネット「故障してんのかな？」
カチーナ「何言ってんだ。優秀な異星人様の兵器だぜ？ ワナか何かに決まってる」
ラトゥーニ「…乱数加速？ ううん、違う……」
エルザム「ゼンガー、どう読む？」
ゼンガー「…何とも言えん」
カイ「こういう時は昔と同じく、ギリアムに聞くのが一番だ」
ギリアム「………」
「行くべきか、戻るべきか…迷っているように見て取れます」
カイ「その根拠は何だ？」
ギリアム「見たままというのもありますが…」
「今までの敵データから検証しても、機械的なゆらぎではなさそうです」
エルザム「計算された動きではないということか」
ゼンガー「心の迷いとでも？」
ギリアム「あり得る。俺の予想が正しければな」
リュウセイ「あ、あのさ…少佐。こっちにもわかるように説明して欲しいんだけど」
エルザム「…ライ」
ライ「リュウセイ、お前の疑問に対する答えはあの指揮官機にある」
リュウセイ「な、なるほど」
（って、全然わかんねえ）
エクセレン「キョウスケ、種明かしが必要なんじゃない？」
キョウスケ「ああ。敵を撃破しつつ、あの指揮官機に仕掛けるぞ…！」
＜敵２ターン目＞
ガルイン「………」
「…コ…ロ……」
「…ニー…ワ……ガ……」
カイ「やはり、あの指揮官機だけ動かんな」
エルザム「あるいは、動けないのか…」
ゼンガー「だとしたら、その理由は何だ？」
ギリアム「………」
＜エゼキエル・ラヴァンHP０or７ターン目敵フェイズ最初＞
ガルイン「…機…能…不…全…任ム…シッ…パイ…」
「…キ…ョ…ウ……」
「ド……ウ…」
カイ「な、何っ！？」
ゼンガー「教導、と言ったか！？」
エルザム「やはり、あれに乗っているのは大佐なのか…？」
＜アフターミッション・ヒリュウ改格納庫＞
エルザム「…結論は？」
ギリアム「間違いない。以前に現れたゲシュペンスト、それに例の事故を踏まえればな」
ゼンガー「その事故とは、ゲシュペンスト試作二号機…PTX-002の？」
ギリアム「ああ。あれはグルンガストを始めとする特機系の基本となった機体で…」
「内蔵式高出力エネルギー兵器の威力を追求したために出力が不安定…」
「扱いも難しく、故に教導隊隊長であるカーウァイ・ラウ大佐が搭乗することになった」
「だが、宙間テスト中に事故を起こし、爆発…」
「機体とカーウァイ大佐は回収されず、行方不明扱いとなった」
カイ「では、エアロゲイターによって…？」
ギリアム「ええ。地球人の標本として採集されたのでしょう」
「そして、クスハやエクセレン同様、精神制御を受けて……」
カイ「…認めたく無い事実だな。だが、これで大佐がエルピスを攻撃しなかった説明が出来る」
エルザム「ええ。あの方の出身は私と同じ場所……」
「我々にとって、コロニー第１号基のエルピスは聖地も同然。故に、大佐は……」
ゼンガー「…制御を受けつつも、攻撃に踏み切れなかったというわけか……」
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