+第35話:氷の国の方舟+


<戦闘開始直後>

(クロガネ出現)

オペレーター「そ、そんな馬鹿な! 大陸氷を突き破って来た…!?」

レンジ「な、何という無茶な真似を…! 貴重なスペースノア級を壊す気か!」

エルザム「…私はクロガネ艦長、エルザム・V・ブランシュタインだ」

カール「ブランシュタイン? マイヤーの息子か…」

エルザム「そちらはEOT特別審議会のカール・シュトレーゼマン議長とお見受けした」

カール「…そうだ」

エルザム「では…その壱番艦シロガネでいずこへ行かれるつもりなのか、お答え願いたい」

レンジ「DCの残党風情が…。お前にそんなことを教える必要があるのか?」

カール「よかろう。ならば、教えてやろう…」

レンジ「議長?」

カール「我々はこのシロガネで地球から一時脱出するのだ」

エルザム「母星の危機に立ち向かおうとする者達を見捨て…」
      「自分達だけで逃げ出すおつもりか?」

カール「否。我々は人類の種の保存のため、エアロゲイターと直接交渉を行うのだ」

エルザム「…その行為が新たなる火種を地球へ呼び込むことを承知の上でか?」

カール「私は戦うことしか能のない軍人とは違う」
    「地球を代表する政治家として…人類の未来を確保するために、ホワイトスターへ赴くのだ」

エルザム「やはり、行き先はあの白き魔星か…」
      「…人類の未来のためにという理念は間違ってはいまい。だが…」
      「お前達の暗躍が、結果として地球圏をさらなる危機に追い込んでいるのがわからんのか?」

カール「政治とはそういうものだ」
    「軍事力に頼るしかなかったマイヤーやビアンの下にいた貴様には理解出来ぬことだろうがな」

エルザム「己の身の保全のために大義を捨て、母星を売ろうとするお前達の考えなど…」
      「理解する気はない!」

カール「ならば、どうするつもりだ? このシロガネを沈めるか?」

エルザム「………」

LB兵「重力震反応を感知! エアロゲイターの機動兵器が転移出現します!」

エルザム「やはり、現れたか…!」

(エアロゲイター部隊出現)

レンジ「エ、エアロゲイター! 何故、奴らがここに!? 話はついているのではないのか!?」

ニブハル「先程、あなたがおっしゃられたとおり…我々も一枚岩ではございませんので」

レンジ「う、うぬぬ…。ここまで来て死んでなるものか!」

ニブハル「心配はいりません。どうやら、あのクロガネは我々を守るためにここへ来たようですから」

レンジ「そ、それは本当か!?」

カール「よし…。シロガネの出航準備を急がせろ」

LB兵「エルザム少佐、いかがなさいますか!?」

エルザム「シロガネを防衛する。私のトロンベを回せ。Mk-Uの方をな」

LB兵「しょ、少佐はあの腰抜け共を守れとおっしゃるのですか!?」

エルザム「シュトレーゼマンはともかく、シロガネは地球側の戦力として必要だ」
      「ここで失うわけにはいかん」

(ヒュッケバイン・トロンベ出現)

エルザム「では、クロガネを任せるぞ」

DC艦長「しかし、少佐だけでは!」

エルザム「構わん。それに…」
      「DC戦争中、統合軍がマオ社から手に入れたこの機体…ここで性能を確かめておきたい」

DC艦長「りょ、了解しました…」

エルザム「よし…。では行くぞ、ヒュッケバイン・トロンベよ!」




<グルンガスト零式出現条件クリア>

エルザム(さすがに敵があれだけとは思えん)
      (増援が現れた場合はこちらが不利になるか…)
      「む!?」

(敵機増援がヒュッケバイン・トロンベを囲む)

エルザム「くっ、不覚!」

(グルンガスト零式出現)

エルザム「あれは…!」

レンジ「グ、グルンガストだと!? しかも、あのタイプは…!」

ゼンガー「我が名はゼンガー! ゼンガー・ゾンボルト! 悪を断つ剣なり!!」

(ヒュッケバイン・トロンベを囲む増援機へと急接近する零式)

ゼンガー「一刀! 両断ッ!!」

(増援全てを叩き斬り、撃破)

ゼンガー「…我に断てぬものなし!」

エルザム「…生きていたか、我が友よ」

ゼンガー「敵に隙を見せるとは…貴様らしくないな、エルザム」

エルザム「フッ…。その物言い、相変わらずだな」

ゼンガー「再会を喜んでいる暇はない。我が使命を果たすため助太刀に来た」

エルザム「助かる。ならば、久々に馬を並べて戦うとしよう」

ゼンガー「応ッ!」




<味方増援出現条件クリア>

ジャーダ「お、おい! あのドリル戦艦は…!」

ガーネット「参番艦のクロガネよ! どうしてこんな所にいるの!?」

エクセレン「おまけにボスの零式もいるなんて…!」

ライ「あの黒いヒュッケバイン…もしや、エルザムか!?」

レオナ「! エルザム少佐…!?」

エルザム「フッ…。ここでの私達の役目は終わったようだな」

ゼンガー「うむ。後は奴らに任せるとしよう」

ギリアム「ゼンガー、エルザム…!」

エルザム「ギリアムか…。久しぶりだな」

ギリアム「やはり、お前達は…」

エルザム「今は多くを語るまい。いずれ共に戦うことになるだろう。その時まで弟達を頼むぞ、友よ」

ギリアム「…わかった」

ゼンガー「キョウスケ、ブリット。日々の鍛錬を忘れるな」

キョウスケ「了解」

ブリット「は、はい!」

エクセレン「ちょっと、ボス! 私には何の言葉もないんですか!?」

ゼンガー「フッ…お前と喋ると疲れるのでな」

エクセレン「あらら」

ゼンガー「では、さらばだ」

エルザム「また会おう、弟よ」

(クロガネ、ヒュッケバイン・トロンベ、グルンガスト零式撤退)

ライ「エルザム……」

レオナ「少佐…。やはり、あなたは…」

タスク「………」

リオ(もしかして…タスクのライバルってライ少尉のお兄さん…?)

ユン「艦長、間違いありません。あの艦はシロガネです!」

レフィーナ「私と副長の予想は当たっていたようですね…」

カール「ヒリュウ改に告ぐ。私はEOT特別評議会議長、カール・シュトレーゼマンだ」

ショーン「ほう、珍しいですな。政界の黒幕のご登場とは」
     「てっきり、ジュネーブで静養でもなさっていると思っておりましたが…」

ユン「もしかして、シロガネで自分達だけ逃げ出すつもりでは…?」

カール「言葉に気を付けろ。私は地球人類の未来のため、異星人との直接交渉に赴くのだ」

ショーン「ほう…。地球を彼らに明け渡しに行くおつもりで?」

カール「一介の軍人が関与する問題ではない。お前達は黙って本艦を防衛すれば良いのだ」

ショーン「これはまた、お約束のお返事ですなあ」

レフィーナ「………」

ショーン「さて、艦長…いかが致しますかな?」

レフィーナ「仕方がありません。シロガネを防衛します!」

ショーン「…よろしいので?」

レフィーナ「ええ。私達の敵は彼らではありません…エアロゲイターなのですから」

ショーン「ふむ。ま、軍人が政治に絡むとロクなことがございませんからな」
     「ここは我々の任務を全うすることに致しましょう」




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