+第26話・その男の真意+


<敵4ターン目>

(グルンガスト零式&リリー隊出現)

ジーベル「む? あの部隊は…!」

C軍艦長「リリー中佐、降下完了しました」

リリー「ここは本艦で食い止めます。
    ゼンガー少佐とジーベル少佐は、アースクレイドルへ向かいなさい」

ジーベル(あの女…! 手柄を独り占めする気か…!?)

ゼンガー「いえ、敵の足止めは自分が引き受けます」
      「リリー中佐こそ、ここから離脱を」

リリー「あなた一人で…!? 死ぬ気ですか!?」

ゼンガー「己の使命を全うするまで、死ぬつもりはありません」

ジーベル「…奴らは俺の獲物だ。こちらも撤退する気はない」

リリー「…わかりました…。あなた達の武運を祈ります…」

(リリー隊撤退)

ジーベル「ゼンガー……貴様などに、手柄は渡さんぞ」

ゼンガー「好きにするがいい」

ジーベル「フン。口では何とでも言えるがな」

ゼンガー「手柄などに興味はない。ただし…自分の命は自分で守れ」

ジーベル「それはこちらの台詞だ」

エクセレン「ねえ、キョウスケ。あれってやっぱり…」

キョウスケ「ああ…間違いない」

ゼンガー(今のDCに、我が命をかける価値はないかも知れんが…俺は俺の宿命に従うのみ)
      「ハガネ、そしてヒリュウ改の戦士達に告ぐ!」
      「我が名はゼンガー・ゾンボルト! 悪を断つ剣なり!!」
      「ここを通らんとする者は、何人であろうとも、零式斬艦刀で一刀両断にしてくれる!!」

リュウセイ「な…何だ、あいつ!? バカデカい剣を持ちやがって…。グルンガストの新型か!?」

イルム「いや、あれは剣撃戦闘能力を特化させた試作型…」

レオナ「コロニー統合軍のエース、ゼンガー・ゾンボルト少佐のグルンガスト零式よ」

マサキ「! ゼンガーって…」

エクセレン「そう、私達ATXチームの元ボスよ」

リオ「あ、あの人が!?」

エクセレン「久々の再会…ってとこね。たった一人で私達を止めようだなんて相変わらずみたいねえ」

ブリット「ゼンガー隊長! 自分達が戦わなければならない理由はもうないはずです!」

ゼンガー「ブルックリン…戦士たる者、ひとたび戦場に身を置けば…」
      「眼前の敵を倒すことに専心しろと教えたはずだ!!」

ブリット「しかし、自分達の共通の敵はエアロゲイターのはずです!! 今こそ力を合わせて…」

ゼンガー「問答無用ッ! 己の信ずる道があるならば、己の力で押し通ってみせろ!!」

ブリット「!!」

エクセレン「…ブリット君。ああなったら、ボスはテコでも動かないのわかってるでしょ?」

ブリット「で、でも!」

キョウスケ「そこまでだ、ブリット。ゼンガー・ゾンボルトとの決着はおれがこの手でつける」

ゼンガー「いい度胸だ。来い、キョウスケ・ナンブ!!」

キョウスケ「ゼンガー、勝負だ…!」




<ブリットが零式を撃破した場合>

ブリット「隊長! 自分が進むべき道は示しました!」
     「自分は隊長を殺すつもりはありません! 自分達と共に異星人と戦って下さい!!」

ゼンガー「…俺にはまだ果たさねばならん使命がある」

ブリット「使命!?」

ゼンガー「ブルックリン! 俺達に相応しい舞台…ジュネーブで待っているぞ!!」

ブリット「隊長!!」

(零式爆発/撤退)




<キョウスケが零式を撃破した場合>

ゼンガー「くっ…! この零式を撃ち貫くか、キョウスケ!」

キョウスケ「…決着をつける…! そう言ったぞ、ゼンガー!」

(ここから先は零式HP50%↓と共通)

ゼンガー「…また一段と腕を上げたな。…そうだ。そうでなければ、見込んだ意味がない」

キョウスケ「状況がそうさせただけだ。…自分が育てたなどと、思い上がるな…!」

ゼンガー「…お前のような男が、連邦郡の上層部にもう数人いれば…」
    「いや、言うまい。俺は立ち塞がるだけだ…!」

キョウスケ「倒されることを望むなら…ここで幕引きをする、ゼンガー…!」

ゼンガー「その宣告は受けてやれん…! 俺達に相応しい舞台…ジュネーブで待っているぞ!!」

(零式爆発/撤退)




<アフターミッション・アースクレイドル>

一般兵「…ゼンガー少佐、グルンガスト零式の修理が完了しました」

ゼンガー「ご苦労」

一般兵「…このアースクレイドルでなければ、完全な修理は無理でした」
     「一体何者なのです? 零式に、あそこまでのダメージを与えるとは…」

ゼンガー「…俺の元部下達だ」

一般兵「………」

ゼンガー「では、後の調整は俺がやる。下がって休んでくれ」

一般兵「はっ」

ゼンガー(…キョウスケ達はジュネーブに向かっている…)
      (…となれば、ここが戦場になることはあるまい。いや、してはならん)

ソフィア「…やはり、あなた方は無意味な戦いを止めるつもりはないようですね」

ゼンガー「あなたは…ここの管理者の…」

ソフィア「ええ、ソフィア・ネートです」

ゼンガー「ご心配なく、ネート博士。このアースクレイドルは戦場になりません」

ソフィア「え…?」

ゼンガー「しばらくは騒々しいかも知れませんが…それも決着までの間だけです」

ソフィア「…異星人によって人類は滅びの時を迎えようとしているのに…」
     「何故、地球人同士で争わなければならないのです?」

ゼンガー「………」

ソフィア「…我々は人類が未来へ生き延びるための手段を模索し、その結果…」
     「このアースクレイドルでの眠りの道を選びました」
     「アードラー・コッホ博士が提唱する地球圏の武力統一や支配…
     それが何の意味を持ちましょう」
     「ですから…」

ゼンガー「…ソフィア・ネート博士。…自分には、果たさなければならない使命があります」

ソフィア「使命?」

ゼンガー「あなた方のように、自分が信じる道へ行き着くため…」
      「人類がこの戦いで生き残るために…果たさなければならない使命です」

ソフィア「…それは、人類同士で争うための言い訳に過ぎないのでは?」

ゼンガー「そうかも知れません。…ですが、我が使命…今はご理解頂かなくとも結構」
      「仮にこのアースクレイドルが戦場になるようなことがあれば…
      自分は命を賭けて守り抜いてみせます」
      「それもまた、自分に課せられた使命なのです」

ソフィア「………」




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