+第9話・月からの使者+


<インターミッション・DC総司令部>

???「…ここは自分にお任せを」

アードラー「何じゃと…? 立場をわきまえんか、愚か者め!」

???「いえ。自分の意志を、総帥に示すには絶好の機会かと」

ビアン「ふむ…」

アードラー「危険ですぞ、総帥! こやつはまだ…」

???「では、リオン1機のみをお借し下さい。それで今回の任務を完遂させましょう」

アードラー「1機でじゃと…? 死ぬ気か、貴様!?」

???「もとより、死は覚悟の上」

ビアン「いいだろう。今回の作戦、お前に指揮権を与える。己の身の証…戦果を以て、私に示すがよい」

アードラー「そ、総帥!」

ビアン「ただし…彼らには、あくまで自分の意志によって、宇宙へ上がらせるようにな」

???「了解です。では…出撃します」



<全敵機撃破>

(リオン出現)

レフィーナ「1機だけ…!?」

???「一意専心、狙いは一つ!」

(シャトルに辿り着くリオン)

???「もらった!」

キョウスケ「!?」

(シャトル爆発)

ユン「ああっ、シャトルが!!」

???「これで任務完了だ…」

(リオン撤退)

レフィーナ「撤退した…!? ユン、シャトルの被害状況は!?」

ユン「貨物部分の損傷はほぼありませんが、発射台が使用不可能になりました…!」

ショーン「…先程の部隊はオトリ…。いや、違いますな。むしろ、あのAMによる単独行動…」
     「それに、機体が違うとは言え、あの踏み込みの速さ…見覚えがありますな」

レフィーナ「えっ…?」

ギリアム「そう。相手の一瞬の隙を突くというやり方…あれは…」

キョウスケ「ゼンガー隊長……か」

エクセレン「…多分ね」

レフィーナ「そ、そんな……っ!」

カチーナ「やっぱり、少佐はあたし達を裏切りやがったのか!」

ブリット「ば…馬鹿な…! 隊長が…寝返るなんて…」

キョウスケ「寝返った…とは限らん」

ブリット「少尉…?」

キョウスケ(自ら…立ち塞がる者になったとしたら…?)




<アフターミッション・アイドネウス島>

テンザン「…ゼンガーの野郎、人をダシにしやがって!」
      「おい! 誰もいねえのか! あのオッサンはどこだっての!?」

ゼンガー「…騒ぐな。整備兵は神経を研ぎ澄ませて作業をしているのだ」
      「それを、パイロットがかき乱して何とするか」

テンザン「てめえ、裏切り者のくせになに勝手に仕切ってやがる!」

ゼンガー「ビアン総帥から戦況を見極め、必要とあらば指示を出す権限をもらっている」
      「俺はそれを行使したまでだ」

テンザン「この野郎…いい気になるなっての!」

ゼンガー「貴様らDCから見れば、俺はただの裏切り者だ」
      「命令を実行する以外、何もするつもりはない」

テンザン「ちっ、いちいちカッコつけやがってよ…」

エルザム「テンザン」

テンザン「エルザム少佐! あんたからも言ってやってくれよ! この野郎、俺をダシに…」

エルザム「ゼンガーは最善の策をとっただけだ」
      「決して、お前のように打算だけで動く男ではない…。それは私が保証しよう」

テンザン「…ちっ…。教導隊同士でかばうっての?」
      「てめえらなんざ所詮ロートルなんだよ。せいぜい、互いの古傷でもなめ合ってな!」

(去って行くテンザン)

ゼンガー「………」

エルザム「すまん、ゼンガー。口の利き方も知らん子供だ。許してやってくれ」

ゼンガー「…気にしてはいない。ただ…あの男が、ビアン総帥や貴様の考えを理解する…」
      「…いや、理解しようとしているかどうかは疑問だがな」

エルザム「理解させるしかない。それは、全人類にも言えることだ」

ゼンガー「…そうだな。では、俺はヒリュウ改を追う」

エルザム「あえて、かつての部下や仲間達と戦うつもりか」

ゼンガー「貴様もそうなのだろう…弟がハガネに乗っていると聞いたが?」

エルザム「フ……」

ゼンガー「それに、まだ奴らには教えねばならんこともある…」

エルザム「了解した。これでお互い、戦場は違えることになるが…」

ゼンガー「うむ。命あらば…また会おう、友よ」

テンザン君問題発言連発(どれが問題発言だとか言うな)。




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