<インターミッション・ヒリュウ改艦橋>
レフィーナ「………」
ゼンガー「…お一人ですか? 艦長」
レフィーナ「はい…。少しの間でもブリッジクルーを休ませようと思って…」
「それに…あんなことがあった後ですから…」
ゼンガー「…艦長、いついかなる時でも、優秀な指揮官であろうとするのは当然のことです」
「だが…勝たねばならない時、絶対に敗れてはならない時…」
「必勝の一太刀が抜けなければ、何の意味もない」
「そのためには、己の心を常に平静に保っておく必要があります」
レフィーナ「…何がおっしゃりたいのですか、少佐?」
ゼンガー「失礼ですが、自分には艦長が戦いに脅えておられるように見えます」
レフィーナ「…少佐にはお見通しなんですね…」
「そうです…。ヒリュウ改の艦長になった時から、覚悟は決めていたのですが…」
「……私は…」
ゼンガー「…目の前の敵を倒す。戦場で、それを忘れた者は死あるのみです」
レフィーナ「ゼンガー少佐…あなたは何故、そんなに強いのです…?」
ゼンガー「いえ、自分はただ…逃げ道を知らぬだけです」
「故に現状に対してもがく…。他人の目には、それが強者の姿として映るのでしょう」
「しかし…自分の強さなど、我々を逃がしてくれた司令達の足下にも及びません」
レフィーナ「あの時、ラングレーから脱出したのは…果たして正しい決断だったのでしょうか?」
ゼンガー「でなければ、今頃自分達は、基地と命運を共にしているところでした」
レフィーナ「ありがとうございます。ゼンガー少佐にそう言って頂けると、助かります…」
ゼンガー「………」
(…今の連邦軍では、DCやコロニー統合軍を倒すことは出来ん…)
(このままでは、前世紀以上の世界大戦となり…人類全体が疲れ果ててしまう)
(…打開策が必要だ。そう…劇的な策が…)
<戦闘開始直後>
(連邦軍艦隊全滅)
テンペスト「これで片付いた。さあ…来るがいい、ヒリュウ改…」
「いや、ゼンガー・ゾンボルトよ!」
(ヒリュウ改出現)
レフィーナ「こ、これは…!?」
ユン「連邦軍艦隊、全滅です…!」
ショーン「やはり、間に合いませんでしたか…!」
ゼンガー「こちらアサルト1! ATXチーム、出撃する!!」
(PT部隊全機出撃)
エクセレン「あっちゃぁ〜…全滅させちゃう? 普通」
キョウスケ「手際の良さはさすがだな」
ゼンガー「…こちらの手の内は読まれていたか…!」
テンペスト「貴様らの後ろ盾は、もはや存在せん…」
「連邦の艦隊もろとも、この呪われた海に沈むがいい!」
ゼンガー「テンペスト少佐…!」
「無意味に地球の戦力を削れば、どういうことになるか…わかっているのか!?」
テンペスト「旧態依然とした連邦軍では、未知なる敵…異星人に対応することは出来ん」
「この星は、ビアン総帥率いるDCでなければ、救えんのだ」
「もっとも…俺は連邦を潰すことが出来れば、それでいいのだがな」
テンザン「俺もバトルを楽しめさえすりゃ、どうでもいいっての」
ゼンガー「貴様ら、あくまでも私欲を満たすことが目的か…!」
テンザン「ホ! あんた、つくづくカッコいいねえ。敵にしとくにゃ惜しいっての」
テンペスト「ゼンガーよ…。大義なき連邦軍へ荷担している貴様に、俺を否定する資格はない」
「そして、ビアン総帥とマイヤー総司令の志…それらも理解不可能だろう」
キョウスケ「何もかもわかっているような口調…気に入らんな」
エクセレン「DCの目的…なんか裏がありそうな感じはするわねえ」
ゼンガー「アサルト1より各機へ! 援軍は期待できん。我々だけでこの場を切り抜ける!」
カチーナ「ハッ! こっちは最初からそのつもりだぜ!」
エクセレン「はぁい」
ブリット「アサルト3、了解!」
ラッセル「オクト2、了解!」
テンペスト「…愚かだな、ゼンガー。連邦軍の残存部隊が、貴様らの頼みの綱だったはず」
「もはや、援軍はありえん。それでも戦うか?」
ゼンガー「…だからこそ、戦う」
テンペスト「貴様らしい返答だ」
ゼンガー「テンペスト少佐…! 追いつめられたネズミは猫に食らいつくことを忘れるな」
キョウスケ(…とはいえ、どこかで撤退しなければなるまい)
(おそらく、隊長もそのきっかけを探しているはずだ)
<規定ターン(5〜7)経過orテンペスト機かテンザン機のHP60%↓>
(エルザム隊出現)
カチーナ「チッ! 伏兵がいやがったのかよ!!」
ブリット「おかしいですよ! 何でさっきの敵部隊は、撤退する必要があったんです!?」
エクセレン「もしかして、代打で送りバントって奴?」
ブリット「送るってどこへ!?」
エクセレン「ん〜、地獄ってとこ?」
キョウスケ「何かのワナか? それとも…」
エルザム「あれがヒリュウ改…。そして、ゼンガー・ゾンボルト率いるATXチームか」
ゼンガー「!! あの黒い機体、そして紋章は…!?」
エルザム「久しぶりだな、我が友よ」
ゼンガー「エルザム・V・ブランシュタイン…やはり、貴様か」
エルザム「かつて、同じ教導隊に所属していた者が、今は敵同士…。運命とは皮肉なものだな」
ゼンガー「確かにな。このことをカーウァイ・ラウ大佐が知ったら、悲しむだろう」
エルザム「だが…あの方は身を以て、我々へ異星人の脅威を伝えてくれた」
「そして…今の連邦軍では、奴らに対抗出来んということもな」
ゼンガー「だが、連邦に反旗を翻せば、世界に混乱を招く…」
「そのことがわからぬお前ではあるまい」
エルザム「全て承知の上での判断だ」
ゼンガー「……!」
ブリット「隊長は敵と何を話しているんだ…!?」
キョウスケ「…かつての仲間…? だとすれば、相手は…!」
エクセレン「わお、あの黒い機体のパーソナルマークって…」
「もしかして、名門ブランシュタイン家の紋章じゃない?」
カチーナ「! ブランシュタインだと…!?」
ブリット「その名前、どこかで…」
カチーナ「何言ってんだ! コロニー統合軍の総大将の名前だろうが!」
ブリット「あ…!!」
ショーン「間違いありませんな。あの人物はエルザム・V・ブランシュタイン…」
「コロニー統合軍総司令・マイヤーの長男であり、教導隊出身のトップエースです」
キョウスケ(やはり、隊長の元同僚か)
エクセレン「つまり、エリート中のエリートってわけね。理解した? ブリット君」
ブリット「は、はい…!」
エクセレン「どのみち、とんだピンチヒッターってことね」
キョウスケ「どうあっても、ここでおれ達を潰すつもりらしいな。…隊長!」
ゼンガー「心配するな。相手が誰であろうと、立ち塞がる者は斬り捨てるのみ…!」
エルザム「変わらんな、ゼンガー…」
ゼンガー「こちら、アサルト1。この場は自分が抑える。ヒリュウ改はその間に離脱されたし!」
レフィーナ「え!?」
ゼンガー「艦長、このままではキリがありません。それにあの男は易々と倒れてくれる相手でもない…!」
「ここは自分に任せ、ヒリュウ改は…」
キョウスケ「いえ…。ならば、なおさらのことです、隊長」
「…ここで逆に奴を倒せば、統合軍へ痛手を与えることが出来る」
エルザム「良い判断だ。しかし、状況の見極めが甘い。賭けとも受け取れるが…若いな」
キョウスケ「頭だけで考えて諦めるほど、物分かりのいい大人でもない」
「それに…不必要に余裕を見せるのは嫌いでな」
エルザム「こういう性分だ…。気に障ったのなら、容赦願いたい」
エクセレン「キョウスケの場合は、深く考えてないだけって話もあるけど…」
「あのお兄さんも、結構面白い人よねえ。そう思わない? ブリット君」
ブリット「今度は…今度は逃げないぞ。自分の活路は…自分で切り開いてみせる!」
エクセレン「あらら、こっちの若い衆はやる気満々ね。ま、ここまで来て尻尾は巻けない…って話でひとつ」
エルザム「フフ…。良い部下を持ったな、ゼンガー」
ゼンガー「…それだけでは、これからの戦い…勝つことは出来ん」
エルザム「ならば、どうする? エアロゲイター相手に、こちらの常識や理想論は通用すまい」
「我々の試練を乗り越えた者でなければ…彼らに打ち勝つことは、不可能なのだ」
ゼンガー「……!」
エルザム「さあ、お前達に与えられた選択肢は二つ…」
「降伏か、死か。好きな方を選べ」
ゼンガー「エルザム、お前は…!?」
エルザム「即答出来んか、ゼンガー。ならば、そこのパイロット…お前はどちらを選ぶ?」
キョウスケ「どちらでもない。おれは敵と戦うだけだ。負ければ…」
「身も心も…撃たれて散らばるだけだ」
エルザム「良い返答だ。ならば、己の運命は…己の手で切り開いて見せるがいい」
<ガーリオン・トロンベHP20%↓>
エルザム「腕は衰えていないようだな、ゼンガー」 (以下HP0の場合と同じ)
<ガーリオン・トロンベHP0>
エルザム「我がトロンベを落とすとは…さすがだな、ゼンガー」
ゼンガー「全力で戦っていたわけではあるまい…!」
エルザム「悪いが、お前達相手に手を抜くほどの余裕は、持ち合わせていない」
ゼンガー「…何を隠している、エルザム…!?」
ブリット「あの黒い機体が動きを止めた…!?」
カチーナ「チャンスだ! 今なら一気に奴を倒せるぜ!!」
ゼンガー「………」
キョウスケ「…何だ…? 迷って…いる?」
ゼンガー「エルザム、お前の真意はどこにある? 俺に何を伝えようとしている?」
エルザム「…それを受け入れる勇気があるのなら…教えてやる」
(ガーリオン・トロンベ爆発/撤退)
ゼンガー「………」
エクセレン「あらら、逃がしちゃった。ちょっとボス! 責任…とってよね。私、本気だったんだから…」
ゼンガー「…そうか。そういうことか、エルザム…」
「お前達は…いや、お前はあえてイバラの道を…」
キョウスケ「…隊長?」
ゼンガー「キョウスケ、俺は奴を…エルザムを追う」
キョウスケ「隊長、深追いは禁物です。今の内に、この空域から離脱を…」
ゼンガー「…俺は俺の進むべき道を見つけた」
キョウスケ「!?」
エクセレン「あらら、ボス? キョウスケ、絶対ヘンよ! いつものボスじゃ…」
キョウスケ「どういうことです!? 隊長! 何を考えて…!」
ゼンガー「…後は頼む、キョウスケ」
(グルンガスト零式撤退)
ユン「アサルト1、応答して下さい! アサルト1、応答を!」
レフィーナ「ゼンガー少佐、何故…!?」
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